知らないうちに骨盤底筋を傷付ける、7つの行動とは。

Beauty 2019.05.30

一見無害のようだが、実は重要な筋肉である骨盤底筋(ペリネ)を傷付けている動作や身ぶりがある。その詳細とアドバイスを紹介しよう。

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日常生活の行動の中には骨盤底筋を傷付けるものがある。Photo : iStock

オフィスにいる時、ジムで運動している時、ハンドバッグを持っている時、私たちは無意識に、そして日常的に骨盤底筋を傷付けている。

パリを拠点に活躍するキネジセラピスト(運動療法士)であり、骨盤や骨盤底筋に詳しい専門家でもあるジョエル・スフィル氏は、その理由はとてもシンプルだと言う。

「この筋肉は恥骨と肛門の間に位置し、日常的に重力と戦い、常に圧力がかかっています。つまり幼い頃から、永久的に負担がかかっているのです。骨盤底筋は身体にとって不可欠で、骨盤を支え、失禁や臓器の下降を回避する役割を持っています」

ふたりの専門家が、骨盤底筋を傷付ける7つの行動を指摘し、そしてこれ以上傷付けないために毎日の生活の中で実践できることを紹介する。

1. 咳やくしゃみをする

強い咳やくしゃみは骨盤底筋を傷付ける。「咳やくしゃみは横隔膜を圧迫し、腹圧が高まるため、骨盤底筋を圧迫します。咳やくしゃみをするたびに、腹に過剰な圧力がかかり、骨盤底筋に圧力がかかりすぎるでしょう」とスフィル氏は説明する。

咳やくしゃみが出そうになった場合には、骨盤底筋を収縮させて(肛門や膣を意識して締める)、衝撃を吸収してから緩めるよう、同氏はアドバイスする。またその際、深呼吸すると骨盤底筋を守ることができる。

2. オフィスの椅子に沈むように座る

私たちの多くはパソコン画面の前で椅子に腰かけ、一日中悪い姿勢のまま、座りっぱなしである。医師でヨガの講師でもあるベルナデット・ドゥ・ガスケ氏は次のように説明する。「ダラっと椅子に座っていると、肩が骨盤に近づき、腹部が内臓を下へ、また前方部へと押し下げます。すると横隔膜がほとんど動くことができなくなり、骨盤底筋もまた動くことができなくなります」

この解決法は? 椅子の背もたれにもたれかかるのではなく、シートの端に座り、肘を前方に向けよう。「常に重力に逆らうことは無理ですから、ダラっとしないように意識的に身体のラインをキープしましょう。また骨盤底筋が座り込んだ状態にならないよう、呼吸して横隔膜を引き上げる際、骨盤底筋も引き上げましょう」とガスケ医師は述べる。

3. 誤ったバッグや買い物カゴの持ち方をする、抱っこする

間違った方法で何かを持つと腰に負担がかかるが、当然骨盤底筋に負担がかかる。大量の本や買い物カゴを持ったり、子どもを抱っこしたりする場合も、同様のことが言える。「重いものを運ぶ時と同様、腹圧が上がるとすぐに骨盤底筋にも負担がかかります」とスフィル氏は言う。

子どもを抱っこする際は負荷を避けるため、胃のあたりで前向きの抱っこをするよりも、腰のあたりでおんぶしたほうがよい。バッグを持つ際も同じだ。「荷物のバランスを取り、骨盤底筋に負担をかけないためには、腕や片方の肩にかけるよりも、たすきがけを心がけましょう」とガスケ医師は助言する。

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4. 床に落ちたものを拾う

「背中が丸くなり、そして腹と骨盤底筋を押し上げて身体を持ち上げなければいけないため、腰を曲げるのはよくありません」とガスケ医師は警告する。「腰にも過剰な負担がかかります」とスフィル氏は述べる。ガスケ医師は地面に落ちた物を拾う際には、リュックサックを背負っているのをイメージしながら、背中を曲げるのではなく、太ももの片方に前腕を置いて膝を曲げることをすすめている。

5. ジョギングをする

ほかのスポーツと同様、ランニングの練習にも多くの利点があるものの、「ランニングをする際に、地面から骨盤底筋にかかる衝撃は、ランナーの体重の4倍に相当します」とスフィル氏は言う。ランナーの体重が重いほど、骨盤底筋をより傷付ける。

ガスケ医師によると、「トランポリンでジャンプするのと同様、走ることは失禁の原因にもなります」。では運動はしない方がよいのだろうか? スフィル氏は、「骨盤周りに負担を感じたり、尿漏れがある場合には長距離を走ったり、長時間走りすぎたりしないようにして、医師に相談しましょう」と述べる。

6. 高いところにあるものを取る

キッチンの高いところに置いてあるパスタの袋を取る時の簡単な動きでさえ、誤った動作によって骨盤底筋を傷付けかねない。「腕がアーチ型になると、腹部の臓器が下がって筋肉のない膣に負担をかけます」とガスケ医師は言う。この動作を安全に行うポイントは、「骨盤を引き締めながら、肩の動きを利用して腕を引き上げることです」と同氏は述べる。

7. 腹筋運動をする

ガスケ医師によれば、そのほかの引き締め運動(バストを引き上げる運動など)と同様、「腹筋運動は骨盤底筋を傷付け、腹筋をかえって弱めます」と指摘する。

「ジムに行くと、私たちの普段の呼吸のリズムではない、あまりに早い動きや運動をします。骨盤底筋にかかる過度の圧力を減らすためには、運動シークエンス(複数の筋収縮の組み合わせ)はゆっくり行い、身体を折り曲げる際にはゆっくり息を吐きましょう。息を吐く際には腹圧は低くなります」とスフィル氏は言う。簡単なエクササイズでも、骨盤底筋に負担をかけずに腹部を強化することができる。

ガスケ医師によるアドバイス
助産師などの専門家から、骨盤底筋に関するアドバイスを最低1回は受けましょう。骨盤底筋の機能を理解するため、膣圧をあげるために、ケーゲルボール(膣圧トレーニング用のボール)などを使うのもよいでしょう。

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texte : Mélodie Castan (madame.lefigaro.fr), traduction : Hanae Yamaguchi

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