青柳文子と篠原かおりに聞く、自分に似合うヘアスタイル作り。
Beauty 2019.10.02
ファッションがシックでエレガントな方向へとシフトチェンジするこの秋、ビューティはどんなイメージに向かうべき? その回答のひとつが「新時代の色気」。本誌11月号では、フィガロの美のアンバサダーであるボーテスターたちと一緒に、さまざまな角度から、時代にフィットした色気のつくり方を紹介しています。
色気を纏うために欠かせない要素のひとつがヘアスタイル。けれども、自分に合ったサロンが見つからない、思い通りのスタイルが叶わない、という不満を抱えている人も多い様子。理想のスタイルをつくるためのサロン探しや、ヘアスタイリストとのコミュニケーション方法とは? そのヒントを、女優の青柳文子さんとLANDのヘアスタイリスト篠原かおりさんに聞きました。
撮影で知り合ったことをきっかけに、8年来の付き合いになるというふたり。
―― この秋は特に、ファッションに合わせてヘアスタイルを変える人も多いと思いますが、スタイリストに希望を伝える時に心がけたいことは?
篠原かおり(以下、S):細部までは決めなくていいので、「私はこういうムードになっていきたい」ということを、写真とかビジュアルで教えてほしいです。髪型のイメージに限らず、服やメイク、自分の好きなものなどが伝わるムードボードのようなもの。その空気感を伝えてもらったほうが、頭の形、髪質などバランスを見て、「それならば、こういう髪型がいいのでは?」という提案ができるんです。
青柳文子(以下、A):篠原さんのようにセンスのあるスタイリストさんでないと、難しいことですけどね。初めてのサロンや、まだ私の髪をわかってもらえていない相手には、具体的に言わないと怖いかも。私はまず、そのスタイリストさんのインスタグラムとかで作品を見て、その中で「この感じは好き」「この感じはそうでもない」というのを正直に伝えます。「私の場合だと、どっちが似合いますかね?」とか、その場でセッションして。
―― 好きなヘアスタイルについて話すことは多いけれど、嫌いなスタイルを伝えるというのも大事なんですね。
A:たとえば「眉毛は絶対に出したくない」とか、自分のコンプレックスは言っておいた方がいいです。その制限の中で、スタイリストさんはパフォーマンスをしてくれるので。
S:「お任せ」というお客さんは多いのですが、私も「絶対に嫌なことは何か?」を必ず聞いて、その上でどうするかを伝えますね。ヘアサロン迷子の末にうちにたどり着いたお客さんたちに聞くと、たいてい「気づいたらこうなってて……」と言うんです。それだけ、ご本人がスタイリストと意思疎通ができていないのかな?と。
A:途中確認やコミュニケーションを怠らない方がいいですよね。
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「少し重くなってきたから、ボブに戻そうかな? 冬にタートル着たい時にも合うし……」「だったら、ボブで色を変えるとかどう?」と、今後のヘアスタイルを相談中。
―― 今シーズンはファッションがシックになる分、ヘアスタイルでのちょっとした冒険が欲しいですが、何からトライするのがおすすめですか?
A:「最悪、失敗したら切ればいいや」っていう長さの中で一度挑戦してみるとか。私もいま、こんなに前髪の幅が広いのは初めてのことなんですけど、周りにすごい好評なんです。篠原さんに「おしゃれな髪型にしてください!」って相談して、ちょっとずつ長さや幅を調整していきましたよね。
S:冒険的なスタイルではあったから、お互い確認しあって、「いいね!」っていうのを積み重ねていく感じでしたね。人の顔って年齢とともに変わるから、昔は似合わなかった前髪がいまはしっくり来るということもあるんです。だから、過去の自分に囚われすぎず、新しいことや違うことに一歩踏み出す勇気を持ってもらえるといいですね。
前髪を幅広にカットしたヘアスタイルは反響が大きく、サロンには「青柳さんの前髪を見て来ました」というお客さんも多かったそう。「こんなに反響があったのは何年かぶりのことだったので、おもしろかったです」(篠原)
A:いまは、かなり髪が伸びてきたから、ウルフカットに挑戦してみようかな?と思っていたり。似合わなかったら自分の中で定番のボブにすればいいし(笑)。最終的にここまで切ろう、みたいなのを長期計画するといいのかも?
S:いくつかやりたい髪型を言ってもらえるといいですね。ハイトーンにもしてみたいし、パーマもかけたいし、長さも変えたい……みたいな希望を教えてもらったら、髪にダメージのかからない順番での年間プランを伝えられるしね。
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―― ふたりのお話を聞いていると、もっと気軽にいろいろ相談してみるといいんだな、と改めて思います。初対面のスタイリストさんだと緊張してしまいがちですが……。
S:私も緊張しますよ! お互いに緊張しているんだ、と思ってコミュニケーションをとってください(笑)。でも希望を伝えた時に「それは絶対やめた方がいい!」みたいに決めつける人は、疑った方がいい。「女の人の前髪は長く」みたいな、自分の好みのタイプのスタイルを作ろうとする人もいるので。
―― 青柳さんにとっての篠原さんのような、信頼できるスタイリストさんに出会うまでには時間がかかりそうですが、近道はありますか?
S:いつも「似合っていて、いいな」と思う髪型をしている人に、どこのお店に通っているのか聞いてみることかな?
A:私と篠原さんは地元が一緒という共通点もあるんですが、映画や本などの趣味が近いスタイリストさんを探すとか。インスタグラムなどを見て、リサーチも必要ですね。
S:趣味が同じ人は集まってきますね。うちも、お客さん同士が実は友だちだった、ってことも結構あるんですよ。
青柳文子
女優/モデル
雑誌ほか、映画、TVドラマ、バラエティ番組、アーティストMVなど多方面で活躍。執筆業などさまざまな分野で才能を発揮し、同世代女性たちの支持を集める。
新時代の色気を感じるのは「自分に自信があって、行動や服装にパッションがにじみ出ている、意思が感じられる人。潤っていることも大切。髪や肌だけでなく、表情、言葉遣い、話す内容のすべてがカサカサしていない人」
Instagram:@aoyagifumiko
篠原かおり
LANDディレクター
「個性を引き出し、その人に似合うスタイルを提案してくれる」と、モデルやアーティスト、デザイナーなどのクリエイターからも信頼を集めるスタイリスト。
新時代の色気を感じるのは「持っているムードに、ウォーミーな温度が感じられる人が素敵。あとは、トレンドに流されない、自分自身に対して正直な人。その代表が青柳ちゃんだと思っています(笑)」
Instagram:@shinoharakaori
東京都港区北青山3-6-17アクセス表参道ビル8F
tel:03-6433-5826
営)10時~21時
不定休
カット¥7,000~、カラー¥6,500~、カット&パーマ¥13,500~
https://land-tokyo.jp
photos:DAISUKE YAMADA