100年美容で、ウェルエイジング。 現在100歳=センチナリアンから、健康長寿の理由を探る。

Beauty 2020.01.04

慶應義塾大学医学部 百寿総合研究センター
岡野栄之 センター長

慶應義塾大学医学部生理学教室教授。2015年より100歳以上の高齢者を調査する百寿総合研究センターのセンター長として、NMNをはじめ、包括的な老年医学研究や予防医療の実践に取り組む。

 慶應義塾大学医学部では、20年にわたり800人以上の百寿者のデータを蓄積し、遺伝子レベルで解析・研究を行っている。「百寿者の中でも、104歳以下をヤングセンチナリアン、109歳以下をセミスーパーセンチナリアン、110歳以上をスーパーセンチナリアンに分類しています。特にスーパーセンチナリアンは日本でも約80万人に1人(2015年)という稀有な存在で、世界でも稀にみる研究リソースです」と岡野栄之センター長。私たちがセンチナリアンから学ぶべき、健康長寿へのヒントを聞いた。

「百寿者は、糖尿病の低リスク群でもあります。糖尿病と認知症の関係は深く、糖尿病でインスリンが不足すると、脳の神経細胞がエネルギー源(ブドウ糖)を取り込めなくなり、認知症の進行に繋がるからです。また糖尿病によって動脈が硬化すると、脳も硬化し、認知症になりやすくなります」

 つまり糖尿病は認知症リスクを高めるということ。その糖尿病を防ぐヒントが、なんと“筋肉”にあると教えてくれた。

「筋肉はブドウ糖を取り込む組織です。筋肉が痩せ細っていると、糖を取り込む機能が低く、血糖値が下がりにくいため、糖尿病や白内障になりやすい。糖尿病、ひいては認知症を防ぐためにも、運動などによって筋肉を落とさないことは大切です。もちろん糖を摂りすぎるのもいけません」

 大人になっても外界刺激によって海馬の神経細胞(ニューロン)は新生させることが可能。新しいことに興味を持ち続けることも、認知症予防に関係するかもしれない。

※『フィガロジャポン』2019年7月号より抜粋

texte : NAHO SASAKI

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