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パリ街歩き、おいしい寄り道。

オデオンの小さな映画館と、シテ島のカフェ。

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無性に映画が観たくなった。
外出規制中、DVDを観たいと思いながらもる時間を作れないまま過ごし、ここへきて無性に映画館に行きたくなった。
でも、美術館にも行きたい。
天秤にかけて考え、美術館のほうが時間を取るから、まずは映画を観に行こう、と見逃したままになっている観たかった映画がまだ上映されているかを検索した。
フランスで1館だけ上映しているところがあって、幸いにも、パリだった。
ウディ・アレンの『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』。
わりと最近のように思っていたけれど、フランスでは昨年の9月に公開されていたとわかり、あのポスターを見たのはそんなに前だったのか、と驚いた。
上映しているのはオデオンにあるSaint-André des Arts。レトロな入り口で、好きな映画館だ。
 『レイニーデイ・イン・ニューヨーク』を上映しているのは月曜と木曜の15時から。
ウディ・アレンの作品なら1時間半で終わるだろう。
そう思い、週明け早々、行くことにした。

メトロが15分近くやって来なくて、映画館に着いたのは15時2分だった。
チケットを買い、上映室に入ろうとすると、「ちょっと待って。前の作品を観たまま居続けようとする人がたまにいるから」とチケット売り場の人が、チェックしに走って出て行った。
戻ってきて「入っていいですよ! いちばん左のドアね」と言われたのだけれど、彼がチェックしに行ったのは、私のチケットに書かれた上映室の隣だ。それで
「チケットにSalle2って書いてあるけれど、Salle1なのですか?」と聞くと、え?という顔をして、再び「ちょっと待って」と告げ、今度はSalle1とチケット売り場の間にある扉を抜けて行った。
「大丈夫!」とOkサインで戻ってきた彼と入れ替わるように、まだ宣伝も始まっていないのかな?と思いながら入っていくと、やはり宣伝は始まっていて、でも、私がひとり目の観客だった。
すぐにもうひとり、上映が始まった頃にまたひとりやってきたものの、結局、観客は最後まで3人。

あっという間に終わった。やっぱり映画はいいなぁ。
そして、ウディ・アレンの作品を見ると、自分の暮らしの中にある“好き”が心の中にポツポツ浮かぶ(そうならない作品もあるけれど)。

映画館を出て、シテ島のカフェ・ブラッスリー『Les Deux Palais』に向かった。
月曜の午後に映画館で映画を観るって、なんだか不思議な気分だ。
子どもの頃に熱が出て学校を休み、病院に行った帰りに母と少し買い物に寄って「学校休んでるのに、こんな寄り道していいの?」って感じた時みたいだった。

カフェは思いのほか空いていた。
そうか、旅行客がいないからか、と気付く。
スタッフの数もいつもよりずっと少ない。
メニューを見て、アイスにしようか迷った。
注文を取りに来たスタッフに「ホイップクリームは、ここで泡立てたものですか? それとも、プシューッと出すものですか?」と訊ねたら、「残念ながら、うちで泡てたものではありません」と教えてくれた。
それで、アイスにホイップクリームを付けようかと思いはじめていたのをやめ、自家製のムース・オ・ショコラを頼んだ。
食べていたら、注文を取ったムッシュが「うちで泡てたものではないけれど、おいしいですよ、食べてみます?」と聞いてきた。頷くとホイップクリームを持ってきてくれた。
本当は、これ、オプションで注文すると有料だ。
ありがたくいただいた。プシューッと缶から出したクリームの味だった。
この味はこの味で、懐かしい。子どもの頃に食べていたパフェのクリームはこういう味だった。
いつもよりもざわめきの少ないカフェも、それはそれでよかった。
家にいるのは大好きで、どれだけいても飽きないけれど、ノンストップでいろいろとし続けてしまい息抜きができないのだ。
ということに、カフェとレストランの営業が再開されて、出かけるようになって気付いた。
カフェで過ごす時間は、やっぱりいいなぁ。
そして、ここの床のタイルも、やっぱり好きだなぁ。

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川村明子

フードライター
1998年3月渡仏。ル・コルドン・ブルー・パリにて料理・製菓コースを修了。
台所に立つ時間がとても大事で、大切な人たちと食卓を囲むことをこよなく愛する。オペラ座でのバレエ鑑賞、朝の光とマルシェ、黄昏時にセーヌ川の橋から眺める風景、夜の灯りetc.。パリの魅力的な日常を、日々満喫。近著は『日曜日はプーレ・ロティ』(CCCメディアハウス刊)。

Instagram:@mlleakiko、朝ごはんブログ「mes petits-déjeuners」noteも随時更新中。

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