キーファー/ロダン展と、同じ通りのビストロ。
前週、グラン・パレでのロダン展に行ってから、
ロダンの斬新さにすっかりはまっている。
それで、今週はロダン美術館に行くことにした。
ドイツの現代作家アンゼルム・キーファーとの
企画展が、こちらでは開催中。
会場に入ると『フランスのカテドラル』と題された
作品郡が展示されていた。
続く部屋では廃材を使用した作品が並ぶ。
なんだかえらいかっこいい。植物に石膏をかぶせて
いる作品なんか、展示ケースの右から左から、
まじまじと見つめてしまった。
グラン・パレでは、ロダンの”バルザックの部屋着”
に惚れたけれど、今回はキーファーの
作品自体のかっこよさに加え、据えているテーマと
込められているメッセージが放つ力に心を掴まれた。
素材の使い方や、制作過程にロダンと共通する点が
あるというキーファー。
彼の作品を見てから、常設展の方に回ったら
これまでと目につくものが違った気がする。
『Le Secret (The Secret)』というタイトルの
手の彫刻の奥に、とても気になる像があった。
なんて美しいんだろう?と、横を素通りする人が
多くいる中、立ち止まって見続けた。
しばらくしてタイトルをみたら『Galatea』。
えぇ!! そりゃあ惹かれるわけだ。
大学2年のときに初めてNYに行った、
そのいちばんの目的は『ピグマリオンとガラテア』
という絵をメトロポリタン美術館で見ることだった。
大好きな作品だ。そうかぁ、ガラテアかぁ……
ちょっとうっとりした気分だったからか、
そのあとの展示室でも、惹かれて近づいたのは
『Main d’Amants (Hands of Lovers)』
という作品だった。
面白いなぁ、と思いながら、同じ通りにあるビストロ
ル・プティ・ヴァレンヌへ。昨年オープンした、
いかにも7区らしい客層の、きれいなお店。
メインにサラダ・ニソワーズを見つけ、それにした。
付け合わせも個別で注文できたのでポテトもオーダー。
出てきたら、サラダとはいえ、サッと焼いたマグロが
しっかりしたボリュームで添えられた一品だった。
ポテトもカリッとほっくり揚がっていて、
シンプルでおいしいランチに満足しつつ、
もう、街はバカンスモードでゆったりした空気の午後、
俄然行きたくなってきたある展覧会のことを思った。
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