ブラッスリーN°41と、マルモッタン美術館。
「あるとき印象派の絵を見たことが転機になったんだ」
というフレーズが少し前から頭の中に残っている。
でも、何でそれを読んだのかが思い出せない。
どこかの展覧会で、誰かアーティストの発した言葉
として読んだような気もするけれど、確かじゃない。
おまけに、それを実際に読んだのかもわからなくて、
夢の中で目にしたような気さえしている。
だけれどもともかくこの一文が頭にひっかかっていて
印象派を観にマルモッタンへ行こうと思ったのだった。
家から徒歩圏内なので、歩いて行くことにした。
大好きなビストロの1軒
ラ・フォンテーヌ・ド・マルスの姉妹店
「N°41」がちょうど通り道にある。
オープンしてから2年近くたつのに
これまで行ったことがなかったので
この機会にランチをすることにした。
ちょっと貧血ぽかったので、日替わり料理にあった
「仔牛のレバー、マカロニグラタン添え」を注文。
サイドメニューのグリーンサラダもお願いした。
仔牛のレバーは信頼のおけるお店で食べたいから、
近所でそれが叶うのはありがたいなぁ。
聞いたら、お昼から夜まで終日ノンストップ営業で、
いつでもお料理を食べられると。
それは嬉しい。お昼を食いっぱぐれてしまって目眩、
ってことが結構ある私には朗報だ。
お料理一品で済ますつもりが、結局タルトタタンも
食べた。りんごがとろとろでするすると食べ終えた。
ラヌラグ通りを歩き、マルモッタン美術館へ。
モネはかなり多数の作品のコレクターだったそうで
そのコレクションの企画展が開催されていた。
モネの死後、息子がコレクション作品を売却する際に
きちんと記録をとっていなかったらしく、散逸して
行方がわからなくなっていたものも少なくないとか。
親しい関係にあった同時代の画家仲間のものや、
ジヴェルニーでもいくつか見ることのできる
葛飾北斎や喜多川歌麿の版画など、充実の内容だった。
館内は、カメラ・携帯電話とも、完全に撮影禁止。
解説が興味深かったから、文字の部分だけでも
撮影できたらよかったな。
写真を撮るときにこれから意識していきたいもの、
がバカンス先で見つかったのだけれど、
新たに意識したい対象が、この日観たいくつもの
絵の中に感じられるような気がして、
これまであんまり好きではなかった印象派の絵が
前より少し好きになった。
パリはすっかり秋です。
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