マーシュのサラダにチーズとハムを添えて、春の朝ごはん。
これまで続けてきたブログ「パリ街歩き、おいしい寄り道。」をこの度、リニューアルすることにしました。新たなテーマは、朝ごはん。昨年の夏から自家製酵母パンを作り始めたり、この1年ですっかり充実度のアップしたテイクアウトも時々活用するようになり、以前にも増して楽しみになった朝ごはんの様子を、書いていきたいと思います。隔週で、日曜日に更新の予定です。たまに、手抜き朝ごはんバージョンもアップします!(こちらは月曜日に)
マルシェに立つ、近郊農家のスタンドに、緑色が増えたなぁと感じた。この冬は寒さが厳しく、2月の半ばでも最高気温が0度に届くか届かないかと言う日が1週間ほど続いたパリでは、つい先日まで、例年以上に、根菜ばかりが販売テーブルに並んでいた。レタス類もハーブも、1種類も売っていない日がどれくらいあっただろうか。
葉野菜が戻ってきた。
まだ気温はそこまで上がらなくとも、途端に生野菜が食べたくなる。
煮込んだり、スープや味噌汁に入れることがほとんどだったカブも、サラダで食べたいと思った。
いつも野菜と鶏を買う農家のスタンドの顔見知りの店主が、私が葉も使うことを見越して、勢いのある葉のついたカブを選んでくれた。
前週、10時過ぎに行ったというのに、すでに売り切れていて買いそびれたマーシュ(ノヂシャ)が、カゴにまだたくさんあるのを見て、カブと一緒にサラダにしよう、リンゴも入れてもいいかもしれないと作りたいものが思い浮かぶ。
家に帰り、早速、野菜の掃除を始めた。
マーシュを洗おうと袋から出したら、葉のくっついた根本より下の、根っこのような部分までが残っていた。これまでも土がついている状態で買ってはいたけれど、この黒い部分もついてきたのは初めてだ。
切り口を見ると、まだ白い。
これはこのまま下の部分だけ水につけて置いておいたら、明日の朝でも元気かもしれないな、と思った。マーシュの葉は、もともとくたっとした感じだけれど、今回買ったものは根元がしっかりしているし、持ちが良さそうだ。
そうして迎えた翌朝。
まるで意思を持って差し込んできたかのような力を携えた日の光が部屋を斜めに横切り、2週間ほど前とは打って変わった明るさに心が弾んで、やっぱりサラダにしよう、と台所に立った。
サラダはカブとマーシュだけにすることにして、リンゴは脇に添えよう。
リンゴを脇に添えるなら、合わせてチーズも食べたくなるなぁ。
マーシュとも合うし、この前のマルシェで生産者さんから買ったシェーヴル(山羊乳のチーズ)と、あともう一つ何か欲しいなぁ。あ、コショウが入ったオーヴェルニュ産のチーズ、プラドゥがいいかもしれない。
冷凍していた全粒粉のパンを取り出し、オーブンに入れた。
最近、とても気に入っているパン屋さんがあって、週に2回、7区に出るマルシェで買える。パリでは今のところそこでしか買えない。まだ5種類しか食べたことがないのだけれど、どれも好みで、全種類食べたいと目論んでいる。もう少し食べてから、またリポートしますね。
朝ごはんを用意し始めた時点では、サラダはクレーム・フレッシュで和えようと思っていた。でもチーズを2種類食べることにしたし、クリームじゃないなぁと思い直して、オリーブオイルにクルミオイルを少し垂らし、リンゴ酢とフルール・ド・セルで和えることにした。何かちょっとアクセントになるものが欲しいなぁ、クルミを加えるか? いや、違うなぁ…あ、シェーヴルとも合うしローズペッパーにしよう! そう思いついて、数粒を、両手の平を擦り合わせるようにしてすりつぶし、加えた。
シェーヴルのチーズと同じ生産者さんのハムも最後に添えたら、なんだかすごく自分の定番、って感じの盛り合わせになっていた。
そして、ついでのように載せたハムがとてもおいしくて、正確にいうなら、ハムの脂身がおいしくて、あとから来たのにいきなり主役になっていた。
*お知らせ*
これまでブログでご紹介してきた街歩きは、動画レターでお届けしたいと思います。それに合わせ『パリへの扉』というタイトルでnoteで更新してきた動画コンテンツを、こちらもリニューアルし、3月より毎週水曜更新でリスタートしました。通常は有料コンテンツ(月額制有料マガジン。月4回更新で300円)になりますが、今回、無料でアップしています。街歩きの間に目を留めた風景を繋げて、手書きの手紙を添えたビデオレターです。よかったらご覧ください。
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