
アリソンの冒険旅行ミニバッグ、好奇心を刺激される2月。
アリソンと出会ったのは5年くらい前、ボローニャの共通の友人クリスティーナの家で。アメリカンな友達ばかり集まったその会で、アリソンはひときわセンスよく、ものすごく明るいのが印象的だった。 アリソンはボローニャの丘の上でハンドバッグのブランドを立ち上げたところだった。
革小物が大好きな私。美大の時は神宮前の靴屋でバイトしながらオーダーメイドの靴のバックルをシルバーで作っていたし、初めての勤め先はアメリカの靴ブランドだった。
テキサス出身のアリソンのバッグは、バイカーのスタイルにインスパイアされたというユニセックスでタイムレスなデザイン。
ホームページを見ながら散々迷っていたら、実物を持ってきてくれた。当時のコレクションのバッグから選んだふたつはいまでもヘビーローテーションで使っている。
ボローニャ旧市街から丘の上にたった10分ほどドライブしたところ、ポッジョ通りにあるアリソンと夫のマルコのヴィラは、アペニン山脈を望む広い広~い庭にオリーブ園、プールもあって、最高のロケーション。
数年前、うちにロバがいると知ると、「ロバがいる暮らし、マルコの夢なの!」と、ふたりでやってきた。でもロバってなんでも食べちゃうから柵をつけないとせっかくの庭が台無しだよ、とアドバイスすると、せっかく整えたばかりの庭だしなぁと断念していた。ロバはいないけれど動物大好きなふたりには保護犬2匹の家族がいる。
数年前マルコの誕生日プレゼントにと、ふたりの山の家がある東アルプス山脈ドロミーティの中でも人気の岩山群チンクェトッリの景色をオーダーしてくれた。
ドロミーティにある町コルティーナ・ダンペッツォはボロネーゼも大好きな山のリゾート地。この景色は今までたくさんオーダーを受けたけど、幅180cmともなるとなかなかのインパクト。
我が森の家まではボローニャ旧市街からアリソンの家近くを通ってさらに30分のドライブ。町から近くてこの景色、羨ましい!
ちなみにアリソンのブランド、オッフィチーナ・デル・ポッジョ(ODP)とは、ポッジョ通りのワー クショップという意味。
昨年ボローニャ旧市街にオープンした小さなスタジオにお邪魔した。
バイカーテイストのバッグの後にローンチしたコレクション、ミニサファリ。これがいち早くバーニーズやGoopなどから発信され、ファッショニスタの注目を集めた。
中央にあるのはビチ(自転車)バッグ。ウエストにも斜めがけにもでき、クラッチにもなる。私のウィッシュリストに入ってるバッグのひとつ。
ミニサファリはおじいさんの第二次世界大戦時代の双眼鏡ケースからインスパイアされて生まれたバッグ。トスカーナで一つずつ木枠から手作りされている。
伝統的なトスカーナの植物、タンニンなめしレザーは「食べられるほど」安全なもの。オーガニックコットンを使いオーガニックな染色剤を使ったベルベット、イタリア生産の100%再生ポリエステルで作られたシンセティックレザー、加工工程で出る排水を再利用する工場を使うなど、 環境に配慮したサスティナブルなモノ作りへの姿勢は、友人でもあるモデル兼サスティナブル・ ファッションアンバサダー、アリゾナ・ミューズの影響が大きい。昨年はアリゾナとのコラボレーションコレクションを発表。学ぶことがたくさんあったそう。
コレクションの中で個人的にいちばん手応えがあったものは、「プレキシグラスのミニサファリ」。
アメリカで大好きなNBAの試合を観戦しに行ったときの話。セキュリティの問題で持ち込むものは透明な袋に入れることが義務付けられ、使い捨てのプラスチックの袋が大量に使われるのを見て、透明なバッグを作ることを決意。接着面が見えないように気を配り、細部までこだわった作り。これは再生素材ではないけれどリサイクル可能。「美しいものは捨てられないでしょ。おばあちゃんの50年代のルーサイト製のバッグ、まだ使っているもの。モードは繰り返すし!」
私が春には買おうと思うのは、ボトルバッグ。
暖かい季節になったら大活躍間違いない。売り上げの10%は、海を美しく海洋環境を安全なものにする活動を行うノーモアプラスチックファンデーションに寄付される。オーシャンブルーのボトルバッグは原価以外の売り上げ100%を寄付しているそう。
2月末から発売のスネークスキンにレオパードプリントのマクロサファリはアリソン自信作。
必要なものはちゃんと入る。
ひとつ目は内側の厚みが3mm多くて携帯電話が入らなかったので、作り直したそう。 アリソンのコレクションにインスパイアされて、ミニサファリを作ってみた。
実物大。身にもつけられる。
好奇心に身を任せる冒険旅行へのチケットも作った。
さっそくアリソンに見せよう!と選んだ場所は、ボローニャ現代美術館MAMBo併設カフェ。 ここで常設中の私の作品にモデルになってもらった。
「クマにも似合う!」
いつも仕事でヨーロッパとアメリカを目が回るほど飛び回っているアリソン。プライベートで行ってみたいところは? 「アフリカではエコツーリズムに興味があります。タンザニアには行ったことがあるのでナミビアとボツワナに行ってみたい!」
大学でピアノの勉強からオペラハウスのマネージメントまで学び、大学のプログラムでボローニャのオペラハウスに研修に来たのが渡伊のきっかけだった。イタリアで外国人が保守的な業界でやっていくのは厳しそうだと路線変更、大好きなファッションの世界でインターナショナルブランドの商品ラインマネージメントをするように。革商品を作る工場に足繁く通ううちに、自分の小物ブランドを立ち上げることを決意。そのローンチから6年目。これからよりエクスクルーシブなものを丁寧に作っていきたいそう。 好奇心のおもむくままに。私と一緒!応援してるよ、アリソン!
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