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ボローニャ「森の家」暮らし

栗にキノコに咳止めシロップに堆肥作り。秋を満喫する10月。

10月に入り、冷たい雨の日や深く霧がかった日が続き、森の景色もすっかり秋めいてきた。

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10月はじめまで半日しかなかった幼稚園は、やっとフルタイムの16時までに。小学校は週3日はお昼前までだけれど、いちばん手のかかる末っ子のたえが園にいてくれるので、仕事に専念できる時間も増えた。

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片道10分の家と学校を3、4往復する日もあるけれど、息をのむほど美しい景色をみては、車を止めて深呼吸。

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秋は特別に雲の表情が豊かな気がする。 森の秋は楽しい。この時期散歩コースは、もっぱら栗林方面。

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7ヘクタールあるうちの森の一部は栗林。何十年も手を入れていない急な傾斜のエリアで、立ち入るのも一苦労。それで、もっぱらお向かいの栗林へ。無法地帯だったうちの森の開拓を大部分担ってくれた、お隣さんのコッリ兄弟が整備している栗林で、私たちに栗拾いを快く許可してくれている。それで、キノコ狩りをメインに、拾われ残った栗を失敬させてもらう。

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見つけられたら一番嬉しいポルチーニは、プロ並みのキノコハンターのコッリ兄弟が早朝に取っているのだと思われる。これは、この秋唯一見つけたポルチーノの一種。

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私たちが主に見つけられる美味しいキノコは、カラカサダケ。高さ20センチ以上になる大降りのキノコは、ほんのりヘーゼルナッツの香りがして、とっても美味。イタリア語では太鼓のバチと呼ばれるこのキノコ。閉じているときは傘は丸々していて、本当にバチのよう。

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キノコはほぼ夫のパオロが料理。リゾットにしたり(下にはグリルカボチャ)。

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パン粉とニンニクとオリーブオイルでグリルしたり。

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薪のオーブンでグリルしたら、まるで鶏皮みたいな味がして、プラントベース(植物性の原材料の み、あるいは植物性の原材料を主にした食事)の食事のアクセントに最高なレシピだわ! と、ひとり飛び跳ねた。ポイントは、カリカリさ。キノコを見つけるのは得意だけれど、実は味は苦手な三姉妹も、カリッカリのキノコだと取り合って食べる。

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栗はというと、おやつに暖炉で炒って食べたり。

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栗ご飯にしたり。あとはスープに入れたりするくらいだったけど、今年はパオロのリクエストで、2キロ剥いてクリームにして、メレンゲも焼いて、私も大好きな栗のお菓子、モンブランに初挑戦。

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見た目はともかく味は大好評だったけれど、反省点も多かったのと、手間がかかるので、栗剥きを誰か手伝ってくれるなら、一年に一度、たえの誕生日に作ってもいいかな、と思う。

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もうひとつ今年初めてだったのは、クルミをちゃんと収穫できたこと。庭に何本も生えているクルミの木。今まで黒くなって落ちているものを拾っていたけれど、たいてい虫に食べられていて食べられるものは少なかった。でも、自然と実の部分から殻が綺麗に剥がれたものを落として、あるいは落ちたての白っぽいものを収穫するのが一番美味しいとわかった。

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それで、子どもたち(特にアクティブな次女のみう)は、木に登って揺さぶり、それを拾うのが楽しみに。

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割った時の形も楽しい。私のは蝶々、こっちはハート! と、楽しいおやつ時間。

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落ちたリンゴをかじりながら、シナモンとハチミツを混ぜたものをひと舐めしたならば、 調理いらずでリンゴのお菓子が楽しめる! とひらめいた。そうだ、小瓶に準備しておこう。シナモンは、漢方でもアーユルヴェーダでも使われ、身体を温めたり風邪予防の効果があったり、優れたハーブ。ハチミツも、咳、炎症、抗菌、防腐など、数え切れないほどの効果がある。

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ローカルな友達、アンナマリアは、 自然療法士。カナダのインディアン居留地に2ヶ月ステイしたこともあり、スピリチュアルなことにも敏感で、一緒にいるだけでバイブレーションが上がるような、私にとってちょっと特別な人。今までも、散歩しながら摘み草おしゃべりをする中で、 身近な草やハーブの性質、効能、逸話など、いろいろ教えてくれた。夏前から、この秋風邪が流行りだしたら、特に今年は厄介だから、10月になったらオオバコのシロップを作っておこうね、と話していた。

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世界各地に分布しているオオバコは、とても生命力が強く、古くから民間薬として使用されていた。さまざまな利用法がある中で、オオバコの消炎作用や保湿作用を利用した、喉の調子を整えるシロップの作り方を教えてもらった。

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材料は、オオバコ400g、砂糖300g、ハチミツ250g。オオバコは細長い葉でも丸い葉でも良い。美味しそうなコモンマロウの葉がたくさんあったので、これも使うことにした。コモンマロウもオオバコのように粘膜を保護、修復する効果がある。ハチミツは、うちの森で取れたアカシアのハチミツを使用。

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葉を流水で洗ったら、細かく刻み、砂糖、ハチミツ、ひたひたの水(3カップほど)を加え、火にかける。アンナマリアは「野草は手でちぎるのが好き」というけれど(私もサラダ類は金属の包丁で切ると味が変わると聞いてから、ちぎる派)、時間がかかるので、包丁でザクザク切っても大丈夫。細かくすればするほど葉っぱから粘液が出て、効果が高まる。

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30分ほど煮込んだら、トロッといい感じに。なお、ハチミツは40度以上に加熱すると、豊富なビタミン、ミネラル、酵素が壊れてしまい、アーユルヴェーダでは毒素に変わると言われているくらいなので、次回自分で作るときは、ハチミツはシロップの温度が下がってから加えようと思う。

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漉して瓶詰めしたら、出来上がり。保存は冷蔵庫で。味はというと、オオバコのエグ味はまったくなく、言ってみれば黒糖味。上白糖を使ったらオオバコの味も楽しめたのだと思うけれど、子どもたちにはこちらの方が好まれそう。喉の調子が悪い時、咳が止まらない時など、スプーンいっぱいにゆっくり飲む。実は昨日、みうが夜中に喉の痛みを訴えたので、お茶と塩でうがいをしてからシロップを飲ませたら、朝には声も戻っていた。これから秋にオオバコシロップを作るのが楽しみになりそう。

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面白い話を教えてくれた。自然治療で使う植物は、自分が生活している土地のものを使うのが一番効果があるそう。例えばアフリカのスーパーフルーツ、バオバブは、デトックスや抗酸化力などいろいろな効果があると言われているけれど、それを輸入して摂取しても効果がなかったり、むしろ逆効果なこともある。土着の植物で同じ効能を持つものが、実はたくさん存在する。自分が住んでいるその地あるものを使うのがいちばん。これは、一緒に過ごしたインディアンたちからも学んだことだそう。無添加のワインは、カンティーナから橋を渡った隣町に行く頃には味がまったく別物になると聞く。地産地消がいちばんなのだ。さらに、自産自消だったらもっといい。
せっかく田舎生活をするならば、畑をちゃんとやりたいな、と思い、春に向けてコンポスト作りを始めた。いろいろ調べて、うまくいけば1ヶ月ほどでできるというホットコンポスト(堆肥)を 作ってみることに。基本の材料は、「ブラウン~茶色のミックス」(炭素または炭水化物が豊富な材料) 「グリーン~緑のミックス」(窒素またはタンパク質が豊富な材料)それに「水」「空気」。まずは、ブラウンを調達しに。

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ある土曜日、朝日が昇った頃に、ご近所さんに教えてもらった住所を頼りに、ウッドチップを分けてもらいに行った。初対面のオーナー、ピエールルイージは、「僕の子どもとパートナーは君の家にお邪魔したことあるんだよ」というのでびっくり。なんと、みうのクラスメイトのパパだった。庭や緑全般の仕事をしているそうなので、いざとなったらお知恵を拝借させてもらおう。

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うちのトラックで2往復して、たっぷりウッドチップを準備。次は、グリーンを準備。もらって来たのは、八百屋の売れ残りの野菜。

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それをトラクターで細かくして

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あちこちに落ちているロバたちの糞(これも元は緑だったと言うことで、グリーン)と芝刈りした草花も集めた。そして、まずブラウン、その上にグリーン、水、と、何層にも重ねて行く。一般的に、ブラウンとグリーンは3~4対1と言われているけれど、本当にさまざまな説があるので、目分量でやってみた。

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山ができたら、シートをしてカバー。このころはよく雨が降っていたので水分過剰にならないようにカバーしたけれど、水分量の状況を見て調整することに。2日おきにコンポストの山をひっくり返して空気を送り込むと早くできるようだけれど、私は4日おきに返すことに。

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5日後、コンポスト用の温度計が届いたので測ってみると、60度になっていた。微生物たち、いい仕事してる!

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キッチンのスクラップ(失敗した納豆やボーダーラインの発酵食品も、最高の材料!)、コーヒーのカスや暖炉の灰もグリーンの材料。これらも加えて、混ぜてひっくり返す。外気は10度、いい運動をして、私もほっかほか。一石二鳥!

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畑のリサーチも兼ね、よく野菜を買っている地元の自然農法農家、マリーのファームにお邪魔した。

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雌鶏たちの歓迎を受け、畑へお邪魔。

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何箇所にもある土地で野菜を作っていて、マリーが住んでいる家の畑は、一面サフランが植わっていた。

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夏に来た時は、ナスやシシトウが。

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マリーの畑は段差もなく作られていて、作物によってはミックスで栽培。りんごの木の周りには、ポロ葱、パセリ、フェンネルなどが隠れん坊するかのように植わっていた。堆肥を聞くと、牛糞を混ぜて耕し、野菜の苗を植える溝には数ヶ月寝かした牛糞を敷くそう。私がやろうとしている、耕さない農法も試したけれど、面積が多いので堆肥を大量に用意して敷くのは難しく、 諦めたそう。そう聞いて、ますますどうなるか楽しみになった。

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マリーはボローニャ界隈で、週に一度デリバリーサービスもしている。採れたてがもちろんいちばんだけど、洗わないでも丸ごと安心して食べられる野菜が学校帰りに地元で手に入るのは、本当にありがたい。

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いつもたくさんおまけしてくれて、どうもありがとう!
イタリアは今月からまたいろいろとウイルス関係の規制がかかって来た。ボローニャに行った時、久々に会った友達にハグを仕掛けて、「見つかったら400ユーロの罰金だよ!」とのけぞられた。人の目を気にしてだったのか、ウイルスを本気で恐れているのかは分からないけど、都会の暮らしは本当に息苦しそうだ。広場で遊ぶ子どもたちもみんなマスク。これでは免疫力は下がるばかりで良いことは何もない。レストランでテーブルに着いたらマスクは取っていいけど、立つ時はマスク必須とか、疑問だらけのルールを公共の場では守らなければいけないとしても、うちに来る人たちには 「マスクはしまってね」と冗談めかして(いや本気だけど)言っている。主要メディアでは報道されない医師や研究者たちの証言を聞いていると、このウイルスを恐れる気にはなれない。それより 恐怖を植え付ける報道や、尋常でないスピードで作られ広められようとしている危険すぎるワクチンの方が恐ろしい。心と身体は密接につながっている。心理的、社会的ストレスは免疫力を下げ、 感染症のリスクも高まる。プラントベースの健康な食生活(ビタミンC、D、亜鉛はサプリで強 化)、適度な運動、質の高い睡眠、そしてたくさん笑って免疫力を上げよう。日常生活でできる こんなことを広めるべきだ。 はっきり補足しておきたいのは、これは私が信じている私だけの真実であるということ。自分の真実や価値観を他人に提示したとしても、それを押し付けようとは思わないし、人それぞれがその人だけの真実を持っているわけで、私とあなたの真実や価値観が違ったとしても、あなたをひとりの人間として愛するに値する、という気持ちには変わりない。みんながそういう姿勢でいたならば、宗教、政治だけでなく、たくさんの問題が平和的に解決するのにな。 それよりやるせないのは、子どもたちの学校でのこと。体育もマスクをつけてやっていたり、除菌 ハンドジェルを四六時中使わされて手が痛むのもかわいそう。もっとやるせないのは、友だちが筆入れを落としてペンや鉛筆をぶちまけたので、一緒に拾ってあげようとした子が、先生にひどく怒られたという。友だちや他人のものは触ってはいけないというルールを破ったから。もう泣きたくなる。そんな教育現場、先生も辛いだろうけど、子どもたちはどうなってしまうのだろう。「それが今のルールだったとしても、それが正しい訳では決してないんだよ。優しさは絶対に忘れちゃダメだよ。」と言わずにはいられない。
こんなことをぐるぐる思いながら作りたくなったのは、シンプルに、秋のプレート。

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ワイヤーアートは、左上から時計回りに、ローズヒップ、ポルチーノ、栗、リンゴ、栗、クルミ、カボチャ、野生のビワ。

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色づいた葉っぱも含め、どれも庭で取れたり散歩で拾って来たりする、秋のお楽しみ。

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先日、5年生のゆまのクラスメイトが、学校で先生に自分のところで取れた栗とハチミツを売っていたそう。(うちもハチミツあるから売れるよ! でも学校で売買していいのかね。というのがその日の夕食の会話だった。)田舎の学校ならではの光景に、ちょっと笑った。この辺りは栗街道があるくらい栗が有名で、この時期は民家の外に「栗、売ってます」という看板が掲げられているのをよく見かける。お父さんは町の警察、とか、スクールバス運転手とか、お母さんは雑貨店 のオーナーとか、そんな小さな町ならではの親近感も、なんだかいい。

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秋晴れの日は、ちょっと足を伸ばして、秋色の風景を楽しみながら散歩に出かけよう。紅葉の葉っぱや木の実を拾ってきて、玄関やテーブルにアレンジ。家の中に季節を迎え入れよう。季節のものを、積極的にいただこう。大地の恵みを家族や友だちと分かち合い、ハグし合って、生きている喜びを全身で感じよう。そしてその喜びのバイブレーションを、今は会えない人にも届けよう。見えないもののパワーを、私は信じている。

小林千鶴

イタリア・ボローニャ在住の造形アーティスト。武蔵野美術大学で金属工芸を学び、2008年にイタリアへ渡る。イタリア各地のレストランやホテル、ブティック、個人宅にオーダーメイドで制作。舞台装飾やミラノサローネなどでアーティストとのコラボも行う。ボローニャ旧市街に住み、14年からボローニャ郊外にある「森の家」での暮らしもスタート。イタリア人の夫と結婚し、3人の姉妹の母。
Instagram : @chizu_kobayashi

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