ボローニャ「森の家」暮らし

毎日がセレブレーション。日々の奇跡を考えた6月。

6月に入ってすぐ、学校は3カ月半の長すぎる夏休みに入ってしまった。

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先月の豪雨での災害で1週間学校が休校になったりして、このまま夏休みに突入しちゃったりして、なんて友だちと話していたけれど、そんな雰囲気。本当にもうバカンスなのだ。

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幸い幼稚園は6月末まで。例年6月に入ると暑い暑い日が来て、ほとんど雨も降らないのに、今年は6月に入っても衣替えをしなくてもいいほど涼しく、雨の日も多かった。それで6月も末だというのに未だにプール開きもしていない。でもたくさんの雨のおかげで緑は青々、植物はみんな喜んでいる。この1カ月、畑に水をあげたのは一度だけ。そんな6月は、未だかつてなかった。

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不安定な天気が続いた6月上旬の日曜日。カゾンチェッロの庭園で、漫画家のルーチョの水彩画ワークショップがあった。

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大きな雲が浮かぶ空に、緑は青々。鮮やかなポピーが風に揺らぐ景色は、どこを切っても絵になる。

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参加者は、水彩画が趣味の大人10人ほどに、うちの3姉妹。ルーチョはみんなに丁寧に対応してくれる。

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末っ子のたえ画伯は、ダイナックに蝶々がメインの絵を書いた。姉たちは納得いかない出来で写 真は撮らせてくれなかった。絵に飽きると庭園を探索して木苺を摘んだりさくらんぼを頬張った り長を追いかけたり。

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こんなになって。微笑ましい。

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裸足で走り回っていたたえはミツバチを踏んでしまって大騒ぎ。ガブリエッラがハーブのレメディのオイルを塗ってくれて、少し収まる。ちなみにハチに刺されると1年間風邪をひかないという。留守番していたパオロに作っておいたパニーニを持ってきてもらって、庭園でピクニックラ ンチ。

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アボカド、フムス、トマトやカシューナッツのマヨネーズ風などを挟んだ具沢山のライ麦パンのパニーニ。緑に囲まれて食べると格別美味しい。

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お昼の後、子どもたちはパオロと帰ってしまったので、私はようやく絵を書く体制に。

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もう15年は水彩画なんて描いていなかった。新鮮な気持ちで筆をとる。

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ガブリエッラはミントティとかぼちゃのキッシュを持ってきてくれた。

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あっという間に18時。今日はここまで。ルーチョは、「絵は毎日描いていないと筆が鈍るけど、君は筆はとっていなくても毎日鍛えているのがわかるよ。完成させたら是非見せてね」と言ってくれた。

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絵画教室の数日後、早朝に飛行機に乗って向かった先は、

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シチリア。空港がある町カターニャで半日過ごす。そういえば18年ほど前、電車でカターニャに来
て車を借りてシチリアの旅をした時は、カターニャはナポリくらい運転が危ない感じがして、
町はまったく見なかったのだ。交通量も多いのにヘルメットを被らないでバイクに乗る人がたくさんい
るのもナポリ風。

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シチリアの南東部に位置するカターニャは、シチリア第二の都市。活火山エトナのふもとに位置
し、過去何度も噴火や地震の被害も経験。17世紀の大地震の後、このエリア一帯バロック様式
で多くの建物は再建された。

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この町出身でボローニャに住む仲良しの友だち、イヴァーナにアドバイスをいろいろもらって、お昼に行ったベジタリアンのレストランはとても美味しかった。特に野菜の甘みが活かされたカポナータは今まで食べたカポナータの中でトップクラスの美味しさ。ふと見ると、カゴを頭に乗せて鮮やかな色のアクセサリーを売る“ママ・アフリカ”な女性と、黄色いワンピースの可愛い女の子がレストランに入ってきていた。南の海の砂浜では見かけることがある、こんな物売りスタイル。異国に来た気分になった。

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次に向かったのは、シチリアでもっとも古い元製本場兼本屋、レガトリア・プランポリーニ。創業は1894年で、今はシャッカ姉妹が運営する本屋とカフェになっている。

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木とリサイクル素材を使うのが得意な建築家が手がけた素敵なインテリア。

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居心地も最高で、近くにあったら毎日通いたいくらい。

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イヴァーナは、カターニャでいちばん美味しいグラニータはここの!という。それは試さずにはいられない。たえはイチゴのグラニータとブリオッシュ。私はアーモンドのグラニータ。シチリア発祥のグラニータは、滑らかなシャーベット風デザート。真夏には、朝食にブリオッシュにグラニー タ(ジェラートも)を挟んで食べるとか。

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本のセレクションも素敵。シャッカ姉妹はここに来る前はキッズ向けの本屋さんをしていたそうで、三姉妹の心を掴む本がたくさんあった。

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みんな本が大好き。みうは本を買ったら歩きながらでも読みたい人。

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それから向かったのは、ラグーサ。世界遺産に登録されている、ノート渓谷の後期バロック都市のひとつ。今回のシチリアの旅は、友だちの結婚式のため。私たちの住む町出身のフェデリコと、この町出身のジョヴァンナの結婚式は翌日に。それでパリから駆けつけたボローニャ出身のサラ&ルカ一家と一緒に、つかの間のバカンスを楽しんだ。ちなみに結婚式は木曜日。シチリアでは日曜日以外毎日結婚式日和。

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ディナーの後、結婚式に出席する人たちが顔合わせをできるようにと開催された、アフターディナーギャザリングの会に。

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ロケーションは、旧市街を見下ろす丘の上にあるラウンジレストラン兼ローカルな厳選食材 ショップ、スカーレ・デル・グスト(味の階段)。

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オーナーはジョヴァンナの弟で、ラグーサの政治家でもあるジョヴァンニ。こんな素敵なところで若手の政治家や文化人たちが歴史ある町を盛り上げてる仕掛けを作っていくのかな。

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翌朝、ラグーサ旧市街イブラ地区を散歩。

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路地だらけで教会だらけ。小さい町だけどここだけで教会は50もある。

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17世紀の大地震で破滅的な被害を受けたラグーサは、この旧市街を残し、渓谷の向こう側に新市街を作り、上の街と下の街という現在の形になった。三方を谷に囲まれたラグーサは、緑の中に浮かぶ島のよう。街には谷をつなぐ三本の橋がかかっている

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旧市街にも新市街にも数多くのバロック建築があり、表情豊かな顔の彫刻がバルコニーの下を飾っているのがまたユニークだ。

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街の奥にある市民庭園で子どもたちが遊んでいる間、空を見上げて過ごした。行き交う雲はダイナミックで何か物語が浮かびそう。ふと、18年ほど前にここに来た時のことを思い出した。この町は、当時ぐるり回ったシチリアの町の中でもまた訪れたい町のトップリストに入っていた。

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夕方、今回の旅のメインイベントに向かう。

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会場は新市街にあるサン・ジョヴァンニ・バッティスタ大聖堂。

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ロンドンを拠点に建築事務所をしている新郎フェデリコ。お祝いに世界中から友だちが駆けつけた。私たちの地元組もたくさん。馴染みの顔がたくさん見かけられて、ワクワク。

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予定時間を20分超えてもやってこない新婦。子どもたちは「いつ来るのー遅くない?」とフェデリコにツッコミにいく始末。すると後ろの方がガヤガヤして来て、パイプオルガンが鳴り始めた。結婚式で生演奏は初めて。曲はもちろんワーグナーの結婚行進曲。

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そしてパパのエスコートで神々しい新婦ジョヴァンナが登場。

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なんてエレガント!ドレスは幼少の時からの友だあたで、ドルチェ&ガッバーナのプレタポルテの仕事もしていたファブリッツィオ ・ミナルドが仕立てたもの。

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式はパイプオルガンとコーラスとで彩られ、空間もマジカル。まるで映画のワンシーンのよう。

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立会人たちが婚姻関係の書類にサインをしている間に、たえと一足先に外へ。

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通常ライスシャワーには普通のお米を使うけど、用意されていたのは砂糖コーティングされたお米。きっとドレスやスーツをデンプンで汚さないため。

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アウグーリ、おめでとう!

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バロック様式の教会をバックにした記念写真は幸せいっぱい。

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記念撮影が終わったころ、雨が降り始めた。不安定な天気予報だったので、ここまで天気がもってラッキーだった。

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一雨降った後、披露宴会場に移動する間きっとどこかに虹が見えるはず!と車窓を眺めていた ら、やっぱり!天からの贈り物だ。

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お祝いの会場は、築200年の広大なファームハウス。もともとオリーブオイルやワインなどを作っていて、敷地内には現在も使われている教会がある。かつては学校もあったそう。

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大きなオリーブの木々が茂る中庭のあちこちに野菜や魚介などベジタリアンのフィンガーフードのテーブルが並び、オイスターバーのほかマグロのグリルなどをその場で調理してくれるシェフたちのブースがあったり、なんとも豪華。

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メインの会場はもうひとつの門をくぐったところに。これからが本番。この会場に移動したのは22時。ちなみに子どもたちにはちゃんとキッズ用プログラムが組まれていて、先に食事を済ませると、大きなシャボン玉の中に入ったり絵を書いたり、エンターテイナーたちが面倒を見ていてくれた。

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クラシック・ポップスの生演奏の中、新郎新婦が登場。そして乾杯!

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料理はミシュラン一ツ星レストラン、コーリアのケータリングチームによるもの。プリモピアットはイカとムール貝を添えた米粒、エンドウ豆のクリーム、イカスミ、水牛のストラッチャテッラ。その後もう一品のプリモ、そしてセコンドと続く。

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料理と料理の間に新郎新婦はダンスを披露。雨上がりの地面を擦った白いドレスはかわいそうなことに。すると、ドレスを仕立てたファブリッツィオがハサミを取り出し裾をザクザク割くパフォーマンス。

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ドレスのリフレッシュをして、絵になるふたりは拍手のなか軽やかにダンス。すべてがフェアリーテイルのよう。

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ケーキカットは0時を過ぎてから。

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そして会場をさらに移動。オリーブオイルを絞る大きな石の鉢など昔の機具が展示されている空間 を通ったその先には、青々とした芝生にヤシの木が生える異空間。そこにドルチェのバンケットが。

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ザ・ウエディングケーキは、レモン風味。

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絵に描いたようなケーキが並ぶ。

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シチリア銘菓のカンノーロは、揚げた生地にその場でクリームを詰めてサーブ。同じく銘菓のカッサータはその場でフリットに。もうこの時点では見るのも無理なくらい満腹。

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それにしてもなんて盛りだくさんで美しくて美味しくて楽しい祝いの席だろう。南イタリアのウエディングは長丁場。一度席についたら最後、いつ席から立つかはわからないといが、本当だ。

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フェデリコ曰く、教会でジョヴァンナを待っている時、次女のみうがやって来て、「新婦遅いね。本当に来ると思う?私だったら絶対待たせないけどね。」と言われて、苦笑いしたそう。まったくもう。。

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DJセットが入ってダンスフロアが盛り上がり出した1時半時頃、会場を後にした。ジョヴァンナから直々に受け取ったアーモンドを糖衣で包んだコンフェッティは、結婚の祝祭菓子。小さな袋はフェデリカのお母さんが150人分縫ったもの。隅から隅までジョヴァンナの美意識と愛に満たされ ている。本当におめでとう!

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翌日、ジョヴァンナたちとのアポイントは、海で。

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ジョヴァンナの友だちの海のラウンジで、ウエディングで知り合った多くの友だちがくつろいでいた。

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私たちはお昼頃はチョコレートで有名なモディカへ。そして海にみんなに会いに行った後は、近くの町シクリを訪れた。

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この街も世界遺産に登録され、映画「マレーナ」にも褐色の街のパノラマが登場し、多くの人が訪れるようになった。

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地図も見ずして路地を思うがまま歩くのはとても楽しい。夕焼けに照らされた小高い丘の上に向かう道には、たくさんケイパーの花が。

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白と紫がかったグラデーションのケイパーの花は、おとぎ話の世界がら飛んできた鳥のような美しさ。この景色、心に焼き付けた。

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翌日訪れたノート。この町も17世紀の大地震で破壊したものの、地震の前に存在していた町から10キロほど離れたところに、新たなノートとしてバロック様式の建築で完全に再建し直し、世界遺産に登録されている。一緒に訪れたサラとルカは建築家。彼らの知識や感性にはいろいろ刺激される。

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ノートの大聖堂で結婚式をあげたばかりの新郎新婦が水色の車で幸せいっぱいに通り過ぎるのを見送った後、大聖堂に入ってみると、もう次の式辞が行われていた。結婚式ではなさそうだし、赤ちゃんの洗礼式かな、水色の風船やクラッカーを持った子どもや若者が外にたくさんいるし。風船、きっと空に放つんだろうな、もう風船を放つのは禁止にしたほうがいいのにね、と話していると、単調の音楽が響き渡った。ハッとしていると、ルカが「お葬式だ、それも子どもの。」という。見ると、小さな棺が担がれて教会の階段をゆっくり降りていった。言葉を失った。

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クラッカーから放たれた白い紙吹雪に、空に放たれた水色の風船を見る目が変わった。教会の向 かい側の市役所前に座っていたおじさんは、亡くなったのは長らく病気だった7歳の男の子だと教えてくれた。小さな棺は遺族や家族とともに通りの向こうまでパレードし、拍手で見送られていた。

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サラは子どものお葬式だとわかった途端に涙を流し出した。今身内の病で特に死が身近に感じられるのだろう。彼女を抱いて私も泣いた。子どもたちもそれぞれいろ感じていたようだった。

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悲しいと感じたのは、亡くなった子どもにというより、残された家族へだった気がする。私は死後の世界は愛と光に満ちた平和な世界だと思うので、死は怖くない。この濃厚な身体を持ち、身を持って豊かな経験をし、幅広い感情のスペクトルを感じられるのは、貴重な体験だと思う。そう思うと、どんな感情も体験も自分のために起きている、愛おしいものに思える。

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そして天真爛漫な子どもたちは天からの贈り物。毎日育てられている。

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La vita è bella、美しい人生に、乾杯。

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旅の最後の日、 空港に向かう道中、近所に住んでいた友だちラウラに会いに行った。森でサマースクールを開催してくれてお世話になったラウラは、ボローニャで恋に落ちたシラクーサ出身のシモーネの生まれ故郷に移り住み、新しい命を授かった。シモーネは主に柑橘類をオーガニックで育てる農家出身で、ボローニャ近郊のファーマーズマーケットでシチリア産のオーガニックの果物を売っていた。ふたりはここ数カ月でたくさんの果物の木を植えてきた。何事もすぐに結果を求めてしまう昨今、未来を見据えて大地に根を下ろした生活をする若いふたりの冒険物語。行方が本当に楽しみだ。

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砂浜からも見えたエトナ火山はヨーロッパ最大の活火山。母なる大地に宿った限りないエネル ギーを感じずにはいられない。噴火や地震により破壊と再生を繰り返してきた美しいシチリアの大地と文化。地球も隕石が落ちて生命が滅びる危機にあった後、革命がおきて、爆発的にアップグレードした新しい命が生まれてきた。世界は破壊と再生、クリエーションの繰り返し。誕生と同じように死も祝っていいものだと思う。死は新しい何かの始まりだから。

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森に帰って三日後、夏至。ひまわりが満開だった。ちょうどこの日あたりから、一気に夏らしい暑さになった。

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6月23日、夕日が落ちてからカゴをもって散歩に。

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庭の花をたくさん積んだ。

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そしてボールに花を入れて、湧き水を注ぐ。サン・ジョヴァンニの水を作るのだ。

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これを一晩、星空の下に置いておく。6月23日と24日の間の夜は、不思議な力が宿る夜だと言われる。サン・ジョヴァンニは、キリストに洗礼を受けた聖人、洗礼者ヨハネ。6月24日がその聖人の日だ。ヨハネの洗礼の水にあやかってできた習慣なのかもしれない。

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そして翌朝。朝露も入った魔法の水はひんやり冷たく、花々の甘い香りが漂い本当に魔法がかかったよう。この水で朝一番に手と顔を洗う。すると、幸運、健康、愛が手に入るそう。また、浄化にも効果があるという。私は乾燥させたローズマリーやセージを焚いて、家中を歩き回って窓 と扉を閉め、しばらくしてからから窓と扉を開けて空間の浄化を定期的にしている。この日はそ の後、魔法の水を手で少しずつまいてお清めをした。大事なのはインテンション。

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サン・ジョヴァンニの日はいろいろやることがある。今年は作らなかったけれど、くるみのリキュール、ノチーノもこの日にまだ青いクルミを収穫する。たえと積んだのは、セイヨウオトギリ。英語だとセント・ジョーンズ・ワート、洗礼者ヨハネの草。

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この黄色い鮮やかな花を、太陽をたくさん浴びた正午にこの花と蕾を集めて瓶に入れたら、植物油を注ぐ。今回は、エクストラバージンオリーブオイルと麻油を使った。

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そして蓋をして40日間太陽の元において、毎日一度瓶を揺らす。

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40日経ったらオイルをこすと、オトギリソウのインフューズドオイルの出来上がり。このオイルは強い抗菌作用、鎮痛作用がある。打撲、神経痛などあらゆる痛みの緩和に効果があるほか、日焼けや火傷にも効く。家にあると安心なレメディーのひとつ。

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窓の外、アルファルファの畑が刈られてロールになっていた。毎年麦だったり大麦だったりアルファルファだったり育てるものは変わるけれど、ロールになったら楽しみ方は同じ。

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ロールが持って行かれてしまう前に、夕暮れ時にかけて行って思いっきり遊ぶのは、毎年恒例季節の行事。

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そして22時を過ぎて暗くなったら、蛍鑑賞。星空と揺らめく蛍の光。生活感のある家の灯り。みんなそれぞれ光を放っているのだ。

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活力に満ちたエネルギーで身体を満たすとされるプラナ・ムードラ(手の型)は、ヨガの型である一方、キリスト教の宗教画や彫刻でも見かけられる。まるで天と地からエネルギーが流れてくる気がする。昨日も今日もそして明日も、天を仰ぎ大地に根を張りありとあらゆるものとエネルギーを交差、交換させながら生きている。それは、マジカルでミラクルなこと。もう毎日がセレブレーションだ。

小林千鶴

イタリア・ボローニャ在住の造形アーティスト。武蔵野美術大学で金属工芸を学び、2008年にイタリアへ渡る。イタリア各地のレストランやホテル、ブティック、個人宅にオーダーメイドで制作。舞台装飾やミラノサローネなどでアーティストとのコラボも行う。ボローニャ旧市街に住み、14年からボローニャ郊外にある「森の家」での暮らしもスタート。イタリア人の夫と結婚し、3人の姉妹の母。
Instagram : @chizu_kobayashi

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