オートクチュールからサステイナブルまで、心に響くボタンの魅力
こんにちは、都田です! 今回は、最近ますます魅了された「ボタン」ついてご紹介します。そのきっかけとなったのは、ボタンや服飾パーツを専門に取り扱う株式会社アイリスのサステイナブルに特化するボタンアクセサリーブランド「CALA NEA(カラネア)」を担当する商品企画のお二人から、新たなボタンの可能性についてお聞かせいただいたことでした。
まず、繊細な装飾性を放つ、こちらのボタンをご覧いただけますでしょうか。ため息の出るような美しさ。見せていただいたのは、大切に保有する貴重なオートクチュールのボタンなのだそうです。今は、ボタン製造の工程がスピードアップしているそうですが、こちらは丁寧な職人技によるアート作品のよう。
今回の訪問先、株式会社アイリスは、1946年に設立。ボタンや服飾パーツに注目すると、こちらの会社に行き当たるのではというほど、国内外で知られています。一方で、名品の数々を見ることができる「ボタンの博物館」を日本橋浜町で運営なさっています。
次に見せてくださったのは「ピクチャーボタン」、これも可愛い〜。その昔は、自画像や家族と過ごす風景などを絵葉書のようにボタンに加工して、贈り物にしたり収集して楽しむ習慣があったのだそうです。ドレスを纏った人物とそれを囲むクラシックな枠の組み合わせです。
このように、ボタンと言っても、サイズ・デザイン・用途もさまざまであることを再認識。「指輪やへアゴムのポイントにしたり、和装の帯留めにしたり。現代のライフスタイルに取り入れてもっと身近に楽しめますよ」と教えてくださいました。
そして、本題のボタンアクセサリーブランド「CALA NEA(カラネア)」の話題に。社名にもなっているアイリスの花言葉で、ギリシャ語の「希望」「良い便り」から着想を得たというネーミング。
3つのカテゴリーで、ボタンを活用したアクセサリーを製作しているそうです。なんと、中には、1991年からパリのサントノーレ通りに支店を構えていた時代の貴重なボタンも。世界中からメイドインジャパンのボタンが高い評価を受けた歴史とファッション全盛時代のパワーを知ることができます。
1.リバイバル(ヴィンテージを現代風にリデザイン)
2.海外から買付されたヴィンテージボタン
3.オートクチュール(オリジナル国内製ボタン)
しかし、ファッションの多様化や移り変わりの中では、当然ながら使われなくなったボタンが残ります。しかし、未来を見据えたサステイナビリティの観点から、再び心惹かれるものに生まれ変わることはできる。「CALA NEA」は、ファッション業界で変わりつつある新たな流れに、ボタンという切り口によって取り組むブランドという側面も持っているのです。
続いて、「CALA NEA」ならではと感じるのは、使われなくなったボタンの粒を素材とするシリーズ。一つひとつの柄が違って見えるカラフルなピアスやヘアクリップにアップサイクルしています。
デザインに合わせ自然や花火などのイベントが関連した名前が付けられ、大理石のような模様が入り、柔らかい雰囲気。春の気分にぴったりだなぁと、とっても気に入りました。
心に響くお話を伺いながら、最後に私も貴重なヴィンテージボタンをアップサイクルした帯留めを手に入れることができました。ゴールドの細縁取りを活かして、近くお祝いの席で着る着物のコーディネートの主役としました!
「CALA NEA」は、これまでに百貨店のPOP UPイベントなどに出展してきたそうですが、今後もお目にかかる機会が増えていくことを願っています。また3月には服飾業界に携わる友人と「ボタンの博物館」を訪問予定。ラグジュアリーなファッションの世界と歩んできた素晴らしい歴史を肌で感じられるのを楽しみにしています。
・株式会社アイリス
https://www.iris.co.jp
・「CALA NEA」
https://calanea.theshop.jp
・「ボタンの博物館」完全予約制
東京都中央区日本橋浜町1-11-8 ザ・パークレックス 日本橋浜町 2階
https://www.iris.co.jp/muse/index.html
ARCHIVE
MONTHLY