フィガロジャポン編集部
斎藤 工さんという人。
こんにちは、編集KIMです。
人って、何に関しても最も訴えかけてくる部分に惹かれ、その部分で形容しませんか?
たとえば、顔のデザインが素晴らしく整ってる人のことを言う場合、美人!の一言で済んでしまう。
あえて、肌がキレイとか、仕草が女性らしい、なんて形容しません。
KIMにとって、昨年取材させていただいた斎藤 工さんは、「映画愛にあふれた人」。
世の中では、セクシー、カッコいい、背が高い、がっしりしてて男らしい、ちょっと変わり者......と、モテる男の条件がそのまま当てはまる人物として形容されていますけれど。
そして実際に会った斎藤さんは、それらの形容詞すべて確かに言い当てているのですが、映画好きの私には、何をおいても、映画に対しての気持ちがハンパでなく、観る側、創る側の両方の愛情や思考がものすごくある人、という印象が強かった。
取材した後に「どんな人だった?」と聞かれて、「本物の筋金入りの映画好きだったよ!」と答えて、がっかりされました。みんなが聞きたかったのは、「どんなふうにカッコよかったのか?」なのですから......。
シネマバードという移動映画館の企画を立ち上げて映画館のない町で上映会を行ったり、
斎藤工務店という自身のブログで映画に関してのコメントを積極的に書いたり、
そして、応援するミュージシャンのミュージックビデオや、仕事の合間に観察者となってドキュメンタリーを作ったり。
じっとせず、何か工作している人物、それも映像やメッセージのために、という人なのです。
ここでは、幾つか斎藤 工さんが手がけた映像をご紹介します。
1本目は剛力彩芽さんの乗馬シーン。彼女と馬の距離がだんだん近くなっていく様子がとらえられています。
2本目は騎手の方々の馬への想い。KIMは、洗濯物干しのアップに妙にホロリとしてしまった。
馬の吐く息の白さとか、そういうディテールが心に触れてきます。
フィガロジャポンの2015年7月号でも紹介した、大橋トリオのミュージックビデオ。
「CherryPie」「Parody」「サリー」の3本は、レトロなダイナーを舞台にしたオムニバス形式のフィルムです。視点がユニーク!
斎藤 工監督作『半分ノ世界』は素晴らしい余韻のある作品ですが、そのメイキング映像がこちら。
もしかしたら、眺める・観察する、という行為って最も悦びに満ちたことなのかも。映画愛にあふれている斎藤工さんのような人の活動を見てると、そんなふうに感じます。
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