
フィガロジャポン編集部
青森と秋田へ、鉄道の旅。
来年5月にデビューする、豪華クルーズトレイン「TRAIN SUITE四季島」。先日、この擬似体験で青森~秋田へ、鉄道の旅に行ってきました。
クルーズトレインといえば、九州のななつ星が有名ですが、四季島は東日本代表として関東、東北、北海道を旅する豪華寝台列車です。
高級旅館さながら!?な車内の畳の居間でお茶を淹れ、檜風呂に浸かって癒されながら列車に揺られ...というワケには、車両未完成のためいきませんでしたが...
和モダンにまとめられたリュクスな列車には、スイートルームのほかダイニングやラウンジ、絶景を望む展望車両も完備され、まさに走る高級旅館!
まずは青森へ。
国内最大級の縄文遺跡、三内丸山遺跡。発掘された土器や石器の数の多さと、縄文人のクラフツマンシップに圧倒されます。
昨年、秦基博さんがここで野外ライブをやったそうです。壮大な歴史を感じながら夜空の下で聞く秦基博、想像するだけでも感動ものです。
遺跡に併設する青森県立美術館。青森出身の棟方志功や奈良美智などのコレクションのほか、圧巻なのはシャガール!バレエ舞台の背景画として制作された全4幕のうち3点を鑑賞できます。15m×9mという巨大な3つのキャンバスで覆われた広い空間は、シャガールが描いた世界へ迷い込んだかのような錯覚を覚える迫力。撮影NGだったため、ここでお見せできないのが残念ですが、未訪の方はぜひリアルな空間で体感してください!
巨大な「あおもり犬」は、遺跡から発掘された犬というコンセプトの奈良さんの作品。カラダ半分埋まってます...
秋田へ移動する途中、世界遺産の白神山地に立ち寄って念願の青池へ!
パワースポットと言われるだけあって、ここだけ別世界のような神秘のブルーに感激。なぜ青いのかはいまだ解明されていないとか。
鉄道好きのタモリさんお気に入り、夕日に染まる五能線の絶景を眺めながら秋田へ。
銘酒まんさくの花の産地である増田町で、酒蔵巡り。まんさくの花の蔵元、日の丸醸造の酒蔵や風情ある伝統家屋が多く残り、見学もできます。昔ながらの、ほっとする和の心に触れられる街でした。
そしてなにより、旅先でいちばん心に残ったのは、地元の風土や食材を愛する料理人のレストラン。やっぱり食は、旅の醍醐味ですよね。食通たちが、日本全国からわざわざ弾丸で通い求める味がありました。
秋田では、江戸料理の伝統を守り続ける「日本料理たかむら」へ。
東京目白の江戸料理「太古八」の板長を20代で務めた高村さんが、地元秋田の食材を織り交ぜながら江戸料理を提案します。
秋田で獲れた海の幸、山の幸を巧みに取り入れています。¥10,800のコースより、タコのやわらか煮がとろける前菜や、比内鶏の出汁がきいた茶碗蒸し、そして秋田のソウルフード、わらびたたきが絶品!
丸なすのおわんの蓋をあけると、蟹の餡が!そして高村さんが1年もの時間をかけて試行錯誤を繰り返し生まれたオリジナルのたかむら麺。うどんでもそばでもラーメンでもない、ツルンと、かつプルンとした独特の味わい。寒天で包まれた豆腐は、日本のわびさびをモダンに表現したという、こおり豆腐。
青森のおすすめは、イタリアで修業した笹森シェフが、ワインからチーズ、シャルキュトリーまで自家製、魚や肉も地元産にこだわる「オステリア エノテカ ダ・サスィーノ」。
¥8,640のコースより、自家製のブッラータは、チーズプロフェッショナル協会主催の「Japan Cheese Award 2014」で見事金賞を受賞!ワインセラーで温度と湿度を厳密に管理してつくられる自家製シャルキュトリーのプロシュートは、嚙みしめるたびに旨味が広がります。そしてヤリイカとウニのパスタは、それぞれの風味が絶妙に絡み合い、海の幸の贅沢に満たされる逸品!ここ数年食べたパスタのなかでもいちばんのおいしさでした。
口がとろけるやわらかさの青森産牛のサーロインに、リンゴのハチミツの酸味と甘みがよく合うカマンベールはもちろん自家製。デザートには、これぞ青森の恵み!な美しいリンゴのミルフィーユ。
四季島の贅沢は、車両だけではありません。なんと、このふたつのレストランのほか、東日本を代表する精鋭の料理人たちの食事が車内で堪能できるのです!日本人で初めてミシュランの星を獲得した中村勝宏シェフが、1年以上東日本を食べ歩き出合った、地元食材を愛する実力派で結成されたメンバーによる料理の競演。
日本の奥深さを知り、いいものに触れる体験を通して、地元の農家や職人の方々にも良い循環が生まれることこそ、四季島が目指す真の贅沢。豪華クルーズトレインの出発進行!が楽しみです。
編集N.O
TRAIN SUITE四季島
www.jreast.co.jp/shiki-shima
三内丸山遺跡
青森県青森市大字三内字丸山
http://sannaimaruyama.pref.aomori.jp
青森県立美術館
青森県青森市安田字近野185
Tel. 017-783-3000
www.aomori-museum.jp
日の丸醸造
秋田県横手市増田町七日町114-2
Tel. 0182-45-2005
http://hinomaru-sake.com
日本料理たかむら
秋田県秋田市大町1-7-31
Tel. 018-866-8288
www.akita-takamura.jp
オステリア エノテカ ダ・サスィーノ
青森県弘前市本町56-8 グレイス本町 2F
Tel. 0172-33-8299
www.dasasino.com
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