1993年のクリエイション。
こんにちは!編集REIです。
最近、「1993」という年についてずっと考えています。
私の生まれ年でもあり、いま話題の”ミレニアル世代”にくくられる年。
「ゆとり世代」という呼び名がついていた時とはまた別の意味で、年齢を出すだけで一目置かれる存在に……人気者です。
そんな世論をうまく活用している同世代が、たくさん出てきました。すでにカオスになりかけているこの状況に収集を、と使命感に駆られているこの頃ですが、
今回は、そんなミレニアルズカルチャーの中でも特に注目したい、日本の若きファッションブランドを3つご紹介。(※紹介するデザイナーは93年生まれではありません。)
①似合わせを知っている「corekiyo」
②建築やアートに着想を得る「RANDY」
③漫画でコンセプトを伝える「dilemma」
それでは、corekiyoからスタート。
corekiyo(コレキヨ)
昨年の夏、炎天下の中何を思ったか自転車に乗り汗だくで向かった、裕天寺のヴィンテージショップ「ONCE UPON A TIME(ワンス アポン ア タイム)」。
当時ミニポシェットなるものにハマっていたのでハンカチもなく、必死に手で顔を仰いでいたら、「これ使っていいっすよ」と冷却シートを渡してくれたのをきっかけに出会ったのが「corekiyo」のデザイナー、菊田潤(23)。現在はワンス アポン ア タイムと、ヴィンテージショップのMORSE(モールス)で働いており、夏からはロンドンの芸術大学セントラル・セントマーチンに通うとか。
話していて、彼は”似合わせ”を分かっている人だと思いました。どんな服が欲しいか、なぜ欲しいか、それを着てどこに行きたいのか。雑談の中でお客さんのイメージをつかみ取り、試着しながら一緒に試行錯誤してくれます。いつもは嫌悪感を抱いてしまう「試着どうですか?」のひと言が、スムーズに入ってきました。
「corekiyo」のルックです。モデル選びから写真のムード、スタイリングやわずかな小物使いまで、やはり”似合わせ”というものを知っています。
はっきりとディテールを見せないのも、彼の戦略? オーバーサイズですが身体に違和感なくなじみ、そして着たときに初めて気が付く生地の広がりや機能性の高さ。使い込んでいくうちに新たな魅力が見えてきて、「服を着る」たのしさを教えてくれます。
RANDY(ランディ)
文化服装大学のショップスタイリスト科を卒業し、現在はヨーロッパブランドを中心とした中目黒のセレクトショップ「VASE(ベース)」で働きつつ「RANDY」のデザイナーを務める、相川龍之介(23)。
コレクションが公開されているインスタグラムのアカウントを開いてみると、デザインの着想源となったであろうイメージが。見るかぎり、インスピレーション源は”日常”の中にありそう。
もうこの時点で「RANDY」の虜。当たり前のように見過ごしていた東京の街並み。そこに意識を向けて、たまたま横に並んだ美しい配色に気がつく感性……。
品格のあるデザインは、日常で見つけた「美」を大切にする、繊細な感性を持つ彼だからこそ為し得るのだと思いました。
もちろん、洋服の”造り”へのこだわりも欠かしません。洗濯による形状の変化や、タックの位置で変化するパンツの下がり方まで、単純に「作りたいから作る」ではなく、ちゃんと人が着ることを意識して作られた、職人技に惹かれます。
dilemma(ダイレマ)
武蔵美術大学の造形学部を卒業し、現在は会社員兼デザイナーのHiroki(26)とShota(26)。彼らの友人であり、次世代の音楽シーンを担うロックバンドDATSに衣装提供をしたことでも話題に。
意志と感情の間で揺れ動く、不安定な状態こそ美しいとする、”狭間にある美”をコンセプトに立てている「dilemma」。意志表示の手段としてファッションを選択した彼らがたどり着いたのは、日本人に慣れ親しんだ「漫画」という新たな手法。
立ち上がりとなる2018SSは「Are you 'HUMAN'? or the 'OTHER'?」をテーマに掲げ、フランス在住の米イラストレーターSarah Maxwellが、AIと生活をともにする少女の心の葛藤を漫画で表現しました。
見る角度によって絵が変わり、アニメーションのように動いて見える、”レンチキュラー”という印刷を採用したTシャツにも惹かれますが、
娯楽という新たなジャンルへ手を伸ばし、消費者に対してしっかり自らの意志を届けようとする熱い姿勢に心打たれました。
”ミレニアルズ” カルチャーが今後どう展開していくのか。
「消費」されることなく、この先10年「継続」するカルチャーを残していけるよう、当事者としても何かしら動きたいと思うこの頃でした。
corekiyo
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