Editor's Blog

かこさとしさんが教えてくれたこと。

こんにちは、編集NSです。子どもの頃に見聞きしていつまでも記憶に残っていること、皆さんにもきっとあると思います。私にとってそんな存在のひとつが、かこさとしさんの絵本。昔読んだことある!いま子どもと一緒に読んでる!という方も多いのではないでしょうか。

180614-kako1.jpg

左から『だるまちゃんとかみなりちゃん』『かわ』『地球』『海』(すべて加古里子の名義)。

「だるまちゃん」シリーズに代表される、作者の人柄を思わせる優しい話も楽しいのですが、工学博士であるかこさんらしさが凝縮されているのが科学絵本。宇宙や人体や自然の仕組み、人類の歴史、地球や海に存在する生き物……その対象は多彩で、大人にも学びが多い内容を、子どもにもわかりやすく描いているのです。

180614-kako3.jpg

『地球―その中を探ろう―』より。秋の野山の断面図に描かれる、そこに暮らす生き物たち。「さわがに 2.5cm」「つきのわぐま 2m」など、生き物の大きさも書き込まれています。

とくに好きだったのが『地球』と『海』。どちらも食い入るように読みました。私が図工の時間に描く絵はよく、「ちまちましている」と言われました。俯瞰からの構図ばかりで、細かくいろんなものを書き込んでいたからです。ダイナミックな構図を思いつかなかっただけかもしれませんが、これはきっとかこさんの影響です(安野光男さんの「旅の絵本」シリーズもブリューゲルの絵も、大好物です)。目に見えるものの奥にも多彩な世界が広がっていて、面白いことはもっといっぱいある。そんなことを教えてくれたのも、かこさんでした。

180614-kako4.jpg

「かこさとしからだの本」より、『たべもののたび』『あかしろあおいち』『ほねは おれます くだけます』。複雑で神秘的な体の仕組みやミクロの世界の話を、いまは親子で楽しんでいます。

今年5月2日に92歳でお亡くなりになったかこさん。訃報が届く前から準備が進んでいたという『かこさとしのひみつ展 ―だるまちゃんとさがしにいこう―』が来月、川崎市の川崎市市民ミュージアムで開催されます(7/7~9/9)。複製原画やスケッチなど200点以上が展示される過去最大級の展覧会。次に読むかこさんの本を探しに、子どもの頃には気づかなかったかこさんのすごさを探しに、そしていろんな影響を与えてくれたお礼を伝えに、観に行こうと思います。

ARCHIVE

MONTHLY

夏の暑さへの準備はOK? 涼しいメイク、ひんやりボディケア。
Business with Attitude
35th特設サイト
パリシティガイド
フィガロワインクラブ
BRAND SPECIAL
Ranking
Find More Stories

Magazine

FIGARO Japon

About Us

  • Twitter
  • instagram
  • facebook
  • LINE
  • Youtube
  • Pinterest
  • madameFIGARO
  • Newsweek
  • Pen
  • CONTENT STUDIO
  • 書籍
  • 大人の名古屋
  • CE MEDIA HOUSE

掲載商品の価格は、標準税率10%もしくは軽減税率8%の消費税を含んだ総額です。

COPYRIGHT SOCIETE DU FIGARO COPYRIGHT CE Media House Inc., Ltd. NO REPRODUCTION OR REPUBLICATION WITHOUT WRITTEN PERMISSION.