タイのお母さんの味を体験。
「お母さんの味」と聞くとどんな味を思い浮かべますか?
わたし編集YUKIは、醤油や味噌の風味、出汁の香り……やっぱり日本の家庭料理を思い浮かべます。最後の晩餐には焼き魚定食が食べたいです。
お母さんの味といえば、映画『家族のレシピ』でもシンガポールと日本、3世代の親子を繋ぐレシピが印象的に、何よりすごくおいしそうに描かれていました。味の記憶とは世界中でお母さんから、家族から受け継がれていくものなのだなとあらためて感じました。
『家族のレシピ』キュリナリーイベントより。写真手前は監督や出演者のみなさんの家族のレシピ。
そんなお母さんの味=ママレシピをフィーチャーしたレストランが、ラグジュアリーリゾートのレストランにあると知った時には驚きました。それはプーケットにある「トリサラ」のレストランのひとつ「シーフード」。旅エディター/ライターの坪田美千代さんが、連載「だから、アジア好き」でトリサラを紹介くださっています。
だから、アジア好き
「いま食通が目指すべきリゾート、プーケットのトリサラ。」
「プーケットのトリサラ発、魅惑のローカルグルメツアー。」
「トリサラ」とは「3番目の天国にある庭」を意味するそう。写真を見ているだけでも心地よい海風が伝わってくるようです……
タイの家庭料理ってどんな味なのだろう、と想像をたくましくしていたら、何と「シーフード」の料理が東京にやってくることに! トリサラが主催する1日限りのメディアイベントに行ってきました。
場所は原宿のレストラン、ケイスケ マツシマ。通常はフレンチを提供しているこのお店のキッチンで、タイ家庭料理が作られるという意味でもスペシャルな1日。
前菜は、上の写真左が「Yam Pla Khrob」というサラダ。赤タマネギやミント、ローストしたピーナッツに、ジャコのようなクリスピーな魚が入っていて、どこか懐かしさを覚えます。甘辛いドレッシングで和えられ、いろんな味と食感が楽しめます。
右はグリルしたエビのサラダ「Miang Goong Yang」。トーストしたココナッツやトウガラシ、ショウガ、エシャロット、それにグレープフルーツも。この2品にはタイの女性醸造家が造るワイン「GranMonte Spring Chenin Blanc」がペアリングされ、とてもおいしい! タイのワインは初めていただきました。
こちらは「Hor Mok Hoy Shell」。北海道産のホタテにカレーペーストとココナッツクリーム。日本の食材とタイのレシピのコラボレーションです。
「Tom Yam Pla」は魚(=pla)入りのトムヤムスープ。魚はタラです。優しそうな見た目に反して、しっかり辛い!
味はとってもおいしいけれど舌がピリピリして少しずつしか食べ進められないのですが、タイ南部の本来の味はもっと辛いのだとか。来日していたトリサラのマーケティングマネージャーの女性によれば、彼女にとってこの辛さは普通とのこと。まさにこの辛さを含めてタイの家庭の味なんですね。
メインはロブスター「Mong Gone Phad Prik Gluea」。“mong gone”はドラゴンという意味で、見た目から名付けられたそう。ターメリックやトウガラシでソテーされた料理で、ほかのシーフードやチキンでも作れるそうです。カボチャと卵の付け合わせもおいしく、さっきの辛さが中和されていきました。
左が白ワイン「GranMonte Spring Chenin Blanc」、右が赤ワイン「GranMonte The Orient Syrah」。タイのワインのおいしさに感激!
デザートは黒米やココナッツクリームで作った「Be Go Moi」。甘さ控え目でとても優しい味。
「シーフード」の総料理長、クラ・プラコップキット氏(右)も来日。自らタイのママレシピを届けてくれました。シェフ・クラが率いるキッチンチームは、定期的にタイ南部の周辺地域を回って、各家庭に代々伝わるローカルレシピを学び、その味や調理方法にインスパイアされてメニューに生かしているそうです。
そんなシェフ・クラが、madameFIGARO.jpにレシピのひとつを提供してくれています!
お家で作る世界のホテルのレシピ。#05
イカを使ったタイ伝統家庭料理。
このレシピを再現&執筆くださった浅妻千映子さんが書いているように、甘く濃厚な味わいも、きっとタイ南部の気候風土から生まれて受け継がれてきた味なのだろうと思います。ますます暑くなるこれからの季節にトライしてみたくなりました。イカを杯単位で買って調理したことがほとんどありませんが、タイのビールをしっかり冷やしてモチベーションを高めようと思います。
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