Editor's Blog

星のや東京で、早朝5時の弓術体験。

今年の元旦早朝7:30、ソリ遊びで尾骨を折った編集長T.Sです。ギャー!という悲鳴とともに2022年がキックオフしました。

そんな悲劇の年明けなど知る由もない昨年12月、星のや東京に宿泊しましたのでリポートします。2021年12月1日から開始したプラン「東京・冬温し滞在」。江戸の武士たちが心身の鍛錬のために行っていた寒稽古を、弓術を通して体験します。

みなさんにとってはどうだっていい話だと思いますが、ワタクシ高校時代に弓道部でした。で、約25年ぶりに弓を引きたいな……という衝動に駆られ、参加した次第です。

星のや東京がある大手町は、江戸時代、大名屋敷が立ち並ぶ武家の町でした。きっと、江戸時代のこのあたりは、弓術や剣術、そして馬術などといった武術を通して寒稽古を行う武士たちの姿があったのでしょう。そんなことに思い馳せながらチェックインでございます。

IMG_0954.JPG洋室の使い勝手がありながらも、和の心地よさを感じます。
---fadeinpager---到着してフッと一息ついて、さっそくお稽古です。1日目は、弓術をするにあたり大切な基本動作を学びます。教えてくださるのは「弓馬術礼法小笠原流」の次期宗家・小笠原清基氏と、高弟の佐藤昌二氏。まさか直接、次期宗家の方に直接ご指導いただくとは……、恐れ入ります。

文字どおり小笠原流弓術は、弓を引いて的に当てる武術ですが、まずは礼法を学ぶことが大切です。歩き方、座り方など身のこなし、お辞儀をする際に相手と呼吸を合わせる大切さなど、すべての動作に意味があることを教えていただきます。

なんといいましょうか、学生時代は的に当てることに夢中になっていた高校“弓”児でしたが、大人になったからこそわかる武道の楽しみが少し見えました。

IMG_2699.JPG自然で美しいふるまいは、簡単なように見えて実は難しい。”歩く””座る”で、全身が筋肉痛に!
---fadeinpager---そして、いよいよ弓を引きます。ワタクシは曲がりなりにも経験者でしたので、それなりに引くことができましたが、未経験者でもご心配なく。初めてでも手取り足取り、丁寧に教えていただけます。

本格的な竹弓に竹矢をご用意いただきました。普段、使わない筋肉を使い、ガタピシ言い始めたところで1日は打ち止め。寒稽古のメインである翌日の朝に備えます。
 

IMG_2569.jpg防護ネットのおかげで、初めてでも安心して稽古に取り組めます。

 
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夕食はフレンチ×発酵をテーマした「Nipponキュイジーヌ ~発酵~」。一皿ごとに楽しめるお酒とのマッチングにもご注目。
---fadeinpager---2日目は、早朝5時にスタート。軽食のおにぎりをいただき、本格的な装束に着替えて、星のや東京のエントランスを出ると、大手町の高層ビルの合間、大手町仲通りに射場が用意されていました。夜明け前の寒さと相まって身が引き締まります。通常は魔除けや祈願のために神社で行われる儀式の設えを、大胆にも早朝の高層ビル街に作ってしまったわけです。

IMG_2610.jpg橙色の装束を着た小笠原流の次期宗家・小笠原清基氏。星のや東京のエントランス前の通りに射場が出現。

何度か練習で弓を引き、いよいよクライマックスといえる板的を射る稽古へ。射抜くごとに板的を小さくしていき、最後は約24cm四方まで小さくして計4枚の的を射ます。弓術は、的を射抜くことに捉われると、体のバランスが崩れてしまい、的を外します。つまり、的が小さくなるほど心が乱れるってわけです。そんな己の心を沈め、正しく弓を引くのが弓術の難しさであり、弓の道を追求したくなる面白さでもあります。

IMG_2635.jpg本物の装束を着て体験できる。背景の高層ビルとのギャップが面白い。
---fadeinpager---朝5時から動き出すって、この10年はロケの時くらいしかありませんでした。が、稽古のために早起きすって、なんと気持ちのよいことか。普段使わない筋肉が悲鳴を上げつつも、爽快感でいっぱいです。そんな開放感からの朝風呂はサイコー。さらにダメ押しで、温めた石を使ったスパトリートメントへ。緊張した筋肉をほぐしてもらいました。

この時点で、まだ朝10時。最後は江戸の人々が寒い冬の時期に好んで食べたという豆腐料理で身体を温めてチェックアウトです。

IMG_0990.JPG露天風呂から見える東京の空。ほどよく遮断された外界とのつながり感が、滞在中の非日常感を作ります。

IMG_0993.JPG豆腐の上に白飯をオンしていただく「雪消飯」。

今回、若き頃に夢中になっていた弓道を体験できるというきっかけで星のや東京に宿泊しました。ワタクシ東京在住ですが、都心に住んでいても、こうした東京のホテルの楽しみ方ってあるんだな……と再発見しました。なかなか思うように旅ができないご時世ですが、今回のようなプランは、そんな時にこそ楽しむことができるホテル体験かもしれません。ぜひ、厳しい寒さが続く間にどうぞ。

東京・冬温し滞在
期間:2022年2月28日まで(14日前までに要予約)
料金:1名115,000円、2名198,000円(税・サービス料込、宿泊料別)
予約方法:公式サイトより14日前までに要予約

星のや東京
電話:0570-073-066
https://hoshinoya.com/tokyo/
 

 

 

 

 

 

 

 

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