Editor's Blog

東京の夕暮れを眺めながら、女王の愛する泡を愉しむ!

最近、週末になると自宅でランチからワインボトルの栓を抜いてしまう編集YKです。

先月は北イタリアのフランチャコルタに出張していたこともあり、うだるような暑さだった今年の夏、とにかく辛口のスパークリングばかり飲んでいました。シャンパーニュはもちろん美味しくて大好きですが、最近では他の産地の瓶内二次発酵系スパークリングにも興味津々。近所のワインショップや信濃屋さんに出かけては、フランチャコルタやスペインのカヴァ、ドイツのゼクトなどをせっせと買い込み、料理を作りながらポンポンとコルクを開けていました。

そんな私が今年おススメしたい1本が、こちらの「ナイティンバー」です。

ナイティンバーはイギリス南部のウェスト・サセックス州に位置するスパークリングワイン専門のワインメーカー。シャンパーニュと同じくシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエの3品種のみを使用、手摘みによる収穫にこだわった高品質なスパークリングを作っています。

土地の歴史は古く、1086年の土地台帳に「ナイティンバー」の名前が登場、王族や貴族の所有を経て、1988年に本格的なワイン用ブドウの栽培が開始。2007年にはナイティンバーの味にほれ込んだカナダ出身の醸造家シェリー・スプリッグスとブラッド・グレイトリックス夫妻がプロジェクトに参画しました。2018年にロンドンで開催されたインターナショナルワインチャレンジで、醸造責任者のスプリッグスが「スパークリングワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」を女性として、そしてシャンパーニュ地方以外の醸造家として初めて受賞する快挙を遂げた気鋭のワイナリーです。

エリザベス女王の即位60周年記念「ダイヤモンド・ジュビリー」では晩餐の席に振る舞われ、今年行われた即位70周年の「プラチナ・ジュビリー」では特別デザインの記念ボトルを発売するなど、この10年でイギリスを代表するスパークリングワインへと成長したブランドです。

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実はイギリス南部とフランスシャンパーニュ地方は、太古の昔に陸続きだったという説があります。地質はどちらもよく似た石灰質土壌で、ブドウの栽培に適した水はけのよい土地なのです。気候も穏やかなため、シャンパーニュよりも一カ月ほど長く栽培してから果実を収穫。これにより、糖度も高く酸も穏やかな、熟成度の高いブドウに仕上がります。

瓶内熟成は3年以上、トーストやパイを思わせる香ばしい香りの奥にスパイスのようなニュアンスを持った、複雑なアロマが特長。きめ細かい泡立ちの奥に、リンゴや洋ナシのような香りが長く続き、口に含んでいるだけで幸せを感じるほど!

虎ノ門にあるアンダーズ 東京の52階にある「ルーフトップ バー」、「the sushi」では、ナイティンバー クラシック・キュヴェ・マルチヴィンテージが常時オンリストされています。

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キリリと冷えたナイティンバーに、職人の技で握られた鮨5貫を合わせて。ナイティンバー グラス¥3,630、にぎり5貫 ¥3,960。※表記の税込価格に、15%のサービス料が加算されます

東京湾が一望できる窓側のテラス席に案内され、さっそくナイティンバーをいただきます!

非常に繊細な泡がグラスに立ち上り、これだけでナイティンバーが手間と時間をかけて造られていることが分かります。ひと口含めば、順々に移り変わるフルーティーさと酵母由来のパンのような香りで、まるでリンゴパイを味わったかのような満足感……。その奥にミネラルを秘めており、ここはやっぱり魚介!ということでバーの奥にある鮨カウンターから、5貫盛りを持ってきていただきました。

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鮨カウンターは8席限定で、予約でほぼ埋まってしまうそう。職人の手で握られる小ぶりのシャリに、見事な包丁さばきが絶妙にマッチします。この日特に驚いたのはキンメダイ! タイの刺身と言えばコリコリとした食感を思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、こちらでは筋にキレイに包丁を入れ、歯触りはまるで蕩けるよう。表面を炙ることで香ばしい香りを纏わせ、これがまた香ばしい香りを持つナイティンバーにピタリと寄り添うのです。あっという間に鮨をいただき、グラスを重ねていたら、外はいつの間にか夕暮れに……。

気分上々で帰路につきながら、「いい仕事ができた夜は、またここに来よう」と心に決めました。

ナイティンバー
https://nyetimber.com/jp
アンダーズ 東京 ルーフトップ バー
www.andaztokyo.jp/restaurants/jp
アンダーズ 東京 the sushi
www.andaztokyo.jp/restaurants/jp/the-sushi

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