Editor's Blog

グルメ映画の新たなカタチ。
『99分、世界美味めぐり』を見に行きました。

こんにちは、編集MAです。
『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』や『深夜食堂』など、ここ数年グルメな映画が話題になることが多くなってきました。
これらに共通するのは、とにもかくにも、お腹が空いてしまうこと。
映像を見ながら唾をゴクリ......としてしまったのも、きっと私だけではないはず。
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先日1月30日から公開された、この『99分、世界美味めぐり』も見る前は、同じようなグルメ映画というイメージでした。
ところが見終わってみると、心地よい裏切り感が。
もちろん、この映画には数々の星付きレストラン、目にも美しい料理などが次々に登場します。
そういった意味では期待通りだったのですが、何よりもリアルすぎるドキュメンタリーということが、ほかと違う点なのかもしれません。
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この映画は、ロンドン、バンコク、香港、リトアニアなど5カ国5人のフーディーズ(SNSなどで情報発信する食いしん坊)たちが登場します。
国も違えば年齢すなわち食の経験値も、財力も、育ってきた背景も当然違います。
それぞれ異なった目線で、異なったアプローチでシェフもしくはレストランと関わっていくのですが、そのリアルなやりとりがとにかく面白いのです。
あるフーディーズは、とある三つ星店(映画では、レストラン名が全て実名で出てきます)に
「こんなものメニューから消したほうがいい」など酷評。
いっぽうで、高級店で食べ歩いてきたタイの御曹司フーディーズは、
杭州の山の中の(食堂さながらの)レストランで料理をひと口食べて
「感動的だ。いままでの食事はなんだったんだろうか」と涙ぐんだり。
そんな5人5色の食の現場にカメラが入り、淡々と、けれど情熱的に、食と向き合う姿を追っていきます。
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映画の中には、京都の有名料亭や東京の鮨店など、日本の店も登場します。なにか事件が起こるわけではないけれど、鮨を1貫1貫愛おしそうに食べるフーディーズに、ほっこりしたり、緊張感が伝わってきたり。
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美食家というと、それこそ作り手のシェフたちからはなんだか疎ましく思われたり、貧しくて困っている人がいるのに! という批判だったり、おいしいまずいを語るなんてナンセンスだし身体にいいものがベスト、と言う人がいたり。必ずしもポジティブな印象ではありません。
でも5人とも、なんだか憎めないんです。
なんだかんだいちゃもんをつけながら、けちょんけちょんにダメ出しをしたレストランを訪問して、シェフと仲直りしたり、
純粋無垢に食を楽しみ、「おいしい」と思わずつぶやいたり。
外食ならでは味わえる、店それぞれに異なる雰囲気や活気、プロが生みだす味、それを堪能することはつくづく幸せなことなんだなと再確認しました。
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これまでのグルメ映画とはひと味もふた味も違うけれど、これは一度、試してみる価値アリだと思います。

『99分、世界美味めぐり』
●監督/トーマス・ジャクソン シャーロット・ランデリウス ヘンリック・ストッカレ
●出演/アイステ・ミセヴィチューテ ペルミ・パイタヤウェット アンディ・ヘイラー
●2014年、スウェーデン映画
●99分
●配給/KADOKAWA
●角川シネマ有楽町、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国にて公開中
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