
東北で、循環型の地域づくりが進んでいます。
こんにちは、編集YKです。
先日アップした宮城・岩手の旅の続きをお届けします。
大船渡市越喜来(おきらい)では、漁船に乗せていただきました。
こんなに大きくて綺麗な模様の海藻は初めて見ました。
ロープにはホタテやホヤ、海藻がびっしり!このエリアで獲れるというエゾイシカゲ貝も。
採れたてを船上で食べたら、もう本当にびっくりする美味しさでした。
漁船に乗せていただいたのは特別なことだったのですが、こちらの三陸漁業生産組合さんの海産物はネットでも購入可能です。わたしも先日ホタテをオーダーしました。お刺身はもちろん、殻付きのまま焼いてもすごく美味しい!
また、東京・三軒茶屋のさくら茶屋をはじめレストランでいただくこともできます。
そして、釜石市の根浜海岸沿いに建つ旅館、宝来館でランチ。
宝来館は、2011年3月11日に地震による大津波で被災されました。その直後から、地域の避難所となって、一時は120人以上がここに避難していたそうです。たくさんの地元の方々や全国から駆けつけたボランティアの尽力によって、2012年1月5日にリニューアルオープン。美味しいお料理と居心地のよさ、そして温かくてチャーミングな女将の岩崎さんの言葉から、"我が家"のような宿を目指しているという想いが伝わってきました。
その後は、同じ釜石市で一般社団法人ユナイテッド グリーンさんが行っている「菜の花大地復興プロジェクト」を見学。
©山田周生
被災農地や耕作放棄地を活用して、菜の花を植え、無農薬無添加の菜種油をつくって全国で販売するというプロジェクト。訪れた日は、お花の時期が終わっていたので、満開時の写真を送っていただきました。
©山田周生
そしていまは、こんな可愛らしい苗ががんばって春を待っているそうです。
ユナイテッド グリーン主宰の山田周生さんは、フォトジャーナリストであり、バイクでサハラ砂漠を単独縦断、パリ・ダカールラリーなどの長距離レースの撮影、そして廃油からつくるバイオディーゼル燃料の自動車により世界一周を完走するなど、さまざまな活動を通して"持続可能な暮らし"を模索してきたといいます。
2011年3月、日本一周をしていた最中に、岩手県で大震災に遭遇。ガソリンが枯渇、多くの人が被災現場に辿りつけない状況の中、廃油を燃料とする山田さんの自動車が活躍。物資配給や人の運搬などの支援活動を続け、現在も"東北被災地から循環型のエネルギーと暮らしを実現・発信すること"を目標として、被災地に滞在し長期活動を行っています。
こちらが山田さんのバイオディーゼル自動車。
この菜の花を育てる農作業やラベル貼りなどが、地元の雇用を生み、土や自然に触れることで心身の健康にもつながり、コミュニティ間の交流機会も作りだしているそうです。菜の花は、菜花と油が食糧になるだけでなく、景観も美しく、そして油は緊急時には燃料にも! まさに循環型の地域づくりの理想的な形だと思いました。
そしてユナイテッド グリーンさんが取り組むもうひとつのプロジェクトとして「エコエネルギー100%古民家ハウス づくり」があります。
これは去年訪れたときの写真なので、さらに完成に近づいているはず。
電気は自然再生エネルギー100%を実現、自然から電気を生み出す暮らしを実際に体験できる場所として活用し、エコツーリズムと連携したプログラムも行う予定とのこと。
「菜の花大地復興プロジェクト」のフェイスブックページでは、菜の花畑での作業への参加募集も行っています。ご興味のある方はぜひ!
そしてこの菜種油「油いっこ」が本当に美味しいのです。
第一印象は"幸せな味"。柔らかでやさしく、菜の花の仄かな青い香りと香ばしさが感じられて、オリーブオイルや胡麻油を使うよりもお料理がさらっと軽く仕上がります。
先日、『フィガロジャポン』本誌や『Pen』でお世話になっているフードコーディネーターの廣松真理子さんが、この「油いっこ」を使って、菜の花とアサリのパスタを作ってくださいました。
菜の花と菜種油の相性は、もう最強です。自然の恵みを感じられる、まさに幸せな味。廣松さん、ありがとうございました!
釜石市の菜の花畑をはじめ、宮城・岩手には今年もまた訪れる予定なので、いまからとっても楽しみです。
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