栗山愛以の勝手にファッション談義。

2017-18年秋冬パリコレクションに行ってきた。

雨続きで肌寒い日づくしだったにもかかわらず、ショー会場の入り口にはいつものようにパパラッチの人だかりがあった。このたびは、彼らに最新コレクションをこれ見よがしに披露する人々を尻目に(自分もそのはしくれにいた気がするが…)、何を着ても印象が変わらない不動のキャラクターを持つ、名物編集者たちに焦点を当ててみたい。そして恐れながらいち早く秋冬コレクションを彼女たちにおすすめしてしまおうと思う。

まずはアンナ・デッロ・ルッソ。
彼女こそ非日常的なランウェイのルックをそっくりそのまま取り入れてしまうスナップの女王だが、どんなに素っ頓狂な服を着てもアンナのままだ。それは、極東の一(いち)へなちょこライターが言うのもなんだが、ぶっちゃけ似合っていないからでは。服にアンナがついていっていないような。
私は1996年ヘルムート・ニュートンが 撮影したというイタリアン・ヴォーグ時代の彼女を見たことがあるのだが、ヨウジ ヤマモトっぽい?黒のロングコート姿でとってもかっこよかった。

本当はああいう格好がぴったりなんだと思うんだけどなあ。
というわけで知的でストイックなモノトーンルックが印象的だったハイダー アッカーマンにぜひともトライしてもらいたい。今の彼女には全然物足りなそうだが…

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カリーヌ・ロワトフェルドはもう還暦を過ぎたというのにいまだにセクシーさを保っている。いつもほぼ黒の装いだが、ちょっと気分を変えて新鮮だったサンローランのブラウンとか。サンローランはぴちぴちの若い子が着るのもいいが、熟練のパリジェンヌ?が迫力で着こなす姿も見てみたい。

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そして忘れちゃいけないアナ・ウィンター。
時々ショー会場ですれ違ったりしたのだが、何の関係もない私でも思わず姿勢を正してしまうくらい、その貫禄は健在だった。やっぱり悪魔にはプラダを着てもらわねば。

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最後はスージー・メンケスである。
トレードマークのとさか?の毛量も心もとなくなってきたし、歩くのもずいぶんゆっくりになっていた。切れ味鋭いコレクション批評とうらはらに丸みを帯びたチャーミングな風貌のスージーさん。いつも着ているようなルックがちょうどバレンシアガにあったんでそれでどうだろう。

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ともかく、彼女たちは見た目だけではなく、その手腕で存在感を示している。私もファッションに関わるからには引き続き外見に気を使っていきたいが、いつの日か彼女たちのように内面からにじみ出るパワーも身につけられるといいですね!
 

栗山愛以

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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