栗山愛以の勝手にファッション談義。

フーディスタイルを検証する。

この秋冬、顔まわりを覆うスタイルが気になる。

われらが『フィガロジャポン』最新号(2018年10月号)でも「不思議なフーディに守られたい」として特集が組まれているくらいなんだか目につく。

ストリートブランドでは必須のフーディの流れなのか、ダイバーシティ推進の一環でムスリムファッションのヒジャブを意識したものなのか。はたまた危険と隣り合わせの世の中での自己防衛を意味するのか、ただの防寒なのか。
いろいろと憶測できそうなのだが、とにかく見かける。

で、ミーハーな私はぜひともトライしてみたいと意気込んでいるのだが、ふだん帽子もあまりかぶらないような人間にとっては難易度が高い気がしている。そこで、このたびはハイシーズン到来前に、どのタイプがいちばん日常的に、できるだけ自然に取り入れやすそうか、検証してみたいと思う。

まずは、バラクラバ(目出し帽)。

ウィンタースポーツなんかではきっとおなじみのアイテムなんだろうが、そこまで寒くない都会で着用できるものなんだろうか。

頂点を極めるのは、グッチやマリーン セルに出てきた本当に目しか出ないタイプ。ショーではかっこよかったが、保守的な日本社会では「インパクトがあるファッション」どころではないだろうなあ。不審者ととられてしまいそう。

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某海外誌のウェブサイトで、「ブームを受けてNYの街中でバラクラバをかぶって過ごしてみた」という内容の記事を読んだが、友人知人のインスタに上げられまくったり、熱のこもり具合がはんぱなかったり、年配の方からはいぶかしがられ、子どもからは怖がられたらしい。表情がわからないとか、声が聞こえないという苦情も受けていた。リアーナがコーチェラで着用して話題になっていたが、彼女にならってアイメイクをギラギラにすればファッションだということをより一層アピールできるんだろうか。ともかくかなりモードリテラシーの高い環境で、リスク覚悟で挑まねばならないのは間違いない。

「不思議なフーディに守られたい」特集にも登場していたカルバン・クライン 205W39NYCのように、顔が見える面積が大きいタイプもある。「寒いから耳を温めないと」と言い訳しながら大雪の日とかならかろうじていけるんだろうか。

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頭に巻くようにデザインされている布状のタイプもある。これもマリーン セルに登場していたが、ぴっちりタイト、というのもまたなかなか驚きをもたらす点なのか。

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バレンシアガのフード付きセーターはもう少し現実味があるような。タイトなフードはかぶるとやはり衝撃的だが、いざとなればさっと取ってタートルネックのふりができる。 

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いろいろ検討してきたが、結局のところいちばん自然に見えるのはスカーフを頭に巻くことなのかもしれない。お手本はヴェトモン。クラシックになりすぎない、いい塩梅にカジュアルな服装に、前髪を出して巻くのがバランスがよさそうだ。キャップの上から巻いたり、2枚使ったりというアイデアも参考になる。

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何をセレクトするにしても、極力自然に振る舞うには寒い日にトライすべきなのは基本で、室内でもずっとそのままというわけにはいかないから着脱が簡単なのがいい。髪のセットが崩れるのも必至だから影響の少ないヘアスタイルで……

やっぱりおしゃれって大変ですね……
もし顔まわりを覆っている私に出くわしても、暖かい目で見守ってください。

栗山愛以

ファッションをこよなく愛するモードなライター/エディター。辛口の愛あるコメントとイラストにファンが多数。多くの雑誌やWEBで活躍中。

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