猫ごころ 巴里ごころ

カニエ・ウエストとマリー=アメリー・ソーヴェによるパコ・ラバンヌ

パリで20年暮らしていたので、来日した友人や友人の友人という初対面の人から突然連絡がきて、会うことが多い。
 「ロール?」
 「ウイ」
 先日もパコ・ラバンヌのメゾンで、2006年からコレクションを手掛けているジュリアン・ドセナと仕事をしているロール・ブシャールに会うことに。初対面だったのに遠くからみてすぐ分かった。赤いミニがよく似合っている。

 私たちの共通の女友達のマリーが、今春ジュリアンが手掛けたパコ・ラバンヌのコレクションのモデルをしたというので、そんな話から始めた。
 「とても初めてとは思えなかった。だってすっかりプロのモデルみたいだった」とロール。

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 デフィレの音楽はカニエ・ウエスト、スタイリングは、仏、米版「ヴォーグ」ほか「マスターマインド」で活躍しているモード編集者、マリー=アメリー・ソーヴェ(ニコラ・ジェスキエールとともに、ルイヴィトンのコレクションも手掛けている)だというし、着ているのがジュリアン・ドセナのクリエイションだったら、今の時代の気分が伝わってくるようだ。

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 「今年はパコ・ラバンヌへのオマージュで、過去のアーカイブのものから、ジュリアンが現代風にアレンジしたものだった」というのでつい、
 「あなたたちは知らないでしょうけど、あのメタリックなドレスが登場した時は、大変な衝撃だったのよ」と若い世代に言わないではいられない。
 毎年南仏で行われているイエール国際モード&写真フェスティバルで、2006年に優勝したジュリアン・ドセナが、数年前から審査委員長をしていて、今年も彼が務めるという。
イエールのこのフェスティバルは、有名人を連れてきて委員長にするのではなく、毎年もっとも才能があって、みんなに人気のあるクリエイターが審査委員長に指名されていて、ジュリアンだったら、誰もが納得なのだという。
 日本でもメタリックなパコ・ラバンヌのバッグなど、伊勢丹で買えるというし、パーティーの席に、独特の未来世界を構築するパコ・ラバンヌでいくのも悪くない?

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村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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