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いま、パリのスノッブな花屋はどこ?

初めに春を告げる連翹の花、それからミモザ、菖蒲、水仙、クロッカス、アネモネ、パリの花々を思い浮かべてみる。今年は2ヶ月も早く桜が咲いたらしく、地球温暖化を心配する人もいるようだ。

パリで仕事をしていた頃は、撮影などでお世話になった人たちのお礼に生花を贈る機会がよくあった。パリのフローリストはその時によって流行り廃りがあって、受け取る側も、花束の花を見るまえから、どの店から届いたかをまず気にする人が多いので、それだけはいつも配慮するようにしていた。

クラシカルで、オーセンティックな花束が好きな人に喜ばれるのは、左岸ならブルボン広場のムリエ・フロールか、右岸のロイヤル通りの「ラショーム」、とりわけ「ラショーム」の白百合の花束などはどんな相手にも、最高級の贈り物だと思われていた。
「最近はドゥボーリュよ」
ところがパリのスタイリストの女友達はそういう。コロナ禍で外出は控えがちの昨今、店に出かけなくても、電話やメールで頼んでもエレガントな花束をつくってくれるそうだし、セレブに絶大の信頼があるという。
インスタグラムでみても、「ドゥボーリュ」(30 Rue Henry Monnier, 75009 Paris)のは、日本でよくみられるかわいい花束とは異なり、どこか大人のエレガントな雰囲気にみえる。次回パリにいったら、ぜひ立ち寄りたいものだ。

 

 

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時代はサステイナブルの時代、パリの専門家によると、2022年のキーワードは、「エコロジスト」「ミニマリスト」「エレガント」だという。オーセンティックなブランドは生き残れるが、この3つの条件に当てはまらないものは、今年中に消滅するという人もいるくらいだ。そうした状況の中では、老舗ブランドが注目されていて、「ベルルッティ」も今後はファッション面より、当初の靴の方に力を入れて、原点回帰をするという。

「人のぬくもりを感じられるものをみつけたいの」
妹でジュエラーとして有名なマリ・エレーヌ・ドゥ・タイヤックの北青山のショップの3階で、繊細な感性で選ばれた、サステイナブルなバッグや小物などを展示しているソフィー・ドゥ・タイヤックが、彼女の「ザ・サイトルーム」について、語ってくれた。最近はオンライン・ショップも始めたという。

3月9日から13日まで「エティック・シック」というテーマのポップアップ(東京都港区北青山3丁目7−9)をするそうだ。コロンビアのワユー族の手造りのバッグ「アアルナ」など、他ではみられないものばかり。
そういえばここの展示会で石田ゆり子さんの姿をみかけたことがある。

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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