猫ごころ 巴里ごころ

ホーム・フェスティバルを楽しむ日々。カンヌ映画祭。

コンペ作品ではないのに、特別上映の方が妙に賑わっている今年のカンヌ映画祭。オープニング特別上映のマイウェンの「ジャンヌ・ドュ・バリー」では、ジョニー・デップが久々にカムバック、ルイ15世を演じてフランスで熱烈歓迎をされて、涙ぐむ一幕もあったそうだ。

この映画には友人のパスカル・グレゴリーも出演していて、カンヌから「ワッツアップ」で、「カンヌ映画祭が終わったら、パリに戻らず、マラケッシュにいくつもり」といった近況の文が届いたところだった。ちょうどそれを受け取った後、ジョニー・デップのレッドカーペットの近くでの短いインタビューを、ユーチューブでみていたら、ジョニデが「ちょっと失礼、友達がきた」といっていて、それがパスカルだったのには驚いた。

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昨日はやはりコンペではない連ドラの「アイドル」上映で、デップの娘リリィ=ローズ・デップが黒いミニドレスで、カメラマンのフラッシュが止まらなかったようだ。ジョニデの元妻で彼女の母親ヴァネッサ・パラディも、現在の夫で今回のコンペ作品の監督、サミュエル・ベンシェトリとレッドカーペットにやってくるというし、別れても相変わらず華やかに。

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今回の映画祭の華となるセレモニーのシンボルの役は、キアラ・マストロヤンニだったけど、キアラがレッドカーペットを上がっていく頭上に、今年の映画祭の巨大なポスター、母親カトリーヌ・ドヌーヴの写真がかかっていて、それを見上げるキアラ、なかなかいいショットだった。

久々にカンヌに戻ってきた「青いパパイヤの香り」のトラン・アン・ユヌ監督のコンペ作品には、元パートナーだった二人、ブノワ・マジメルとジュリエット・ビノッシュが共演している。料理の世界を描いたものだけど、ちょっと気まずくない、と余計なお世話?

どうして今年のカンヌ映画祭は、スペシャル感がする百花繚乱の華やかさかというと、それはやはり審査委員長がリューベン・オストルンドだからだと思う。的確な眼を持った監督だし、何よりもサプライズが大好きな人だから、数日後に迫ったパルム・ドールではアフリカ勢とか、思いがけない国が受賞するかもしれない。
だけど今回は、高いレベルで、起爆力となったのは、コンペ作品ではないけどスコセッシ監督の「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」だったみたいだ。「この200分の映画を観た後、それでもまだ映画を作る気力が起きるだろうか」という熱に浮かされたような評をみた。

個人的には、ジュスティーヌ・ティレのスリラー「アナトミー・デュンヌ・シュット」やアキ・カウリスマキの「枯葉」が気になる。
そして「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」も1日も早く観たいし、デカプリオと共演しているリリー・グラッドストーンも知的でいい感じ。

こうしてうちのホーム・フェスティバルは結構楽しい。

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村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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