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新ディスカウント・ショップ「リドル」は パリのエコ世代に大うけ?

6月初めに久しぶりに渡仏したけど、パリも電気代、ガス代の値上げなどで、友人たち
も節約ムードに。

「そのサンダル、どこの?」

「これはリドルだよ」

「なに、それ」

「以前人気だったディスカウント・ショップの「タチ」みたいなところ。ともかく安くて、野菜なんかも無農薬で、新鮮だし、環境にやさしいんだよ。毎日バーゲンみたいに賑わっている」

その「リドル」は2022年には「最優秀環境責任ブランド」として、表彰されたとい
うし、オーガニックのものが新鮮で、低価格だというから、人気が出ないわけがない。

「NYにも進出したというし、ドイツ生まれだけど、どこの国でも成功しているみたいだから、きっと日本にオープンする日も近いと思うよ」

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以前なら安い、というのは自慢にはならなかったけど、今では少しでも安いと友人たち
に誇らしげに話したくなるようだ。

円安真只中のせいか、手持ちの円をユーロに換金するとその価値減少に、すっかり気落
ちしてしまったので、15区にあるという「リドル」に行こうと思っていたが、今回は
短期滞在のため、時間切れになってしまった。

ショッピングのついでに、オペラのモノプリに行ってみると、「2024 パリ・オリ
ンピック」のTシャツがすでにレジ脇で売っていて、お土産も手軽な価格で手に入れることができて、大満足。

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今回はエッフェル塔の目前にある広大なマンションを、友人が使っていいというので、
月光に照らし出されたエッフェル塔や、モンマルトルのサクレクール寺院のところから陽が上る様子があまりにも素晴らしく、うっとりと眺めて過ごした。

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そのアパルトマンはダイアナ妃も欲しがった物件だったというし、なるほどこんなパリもあったのかと、とてもゴージャスな日々を過ごした。

シャネルにいる友人がいっていたが、来年のオリンピックの時期には、セーヌ川の沿岸に住んでいる人たちは、オリンピックのセレモニーやボート競技を見学する人たちのため、自分たちの住居を貸すという広告をよく目にするという。

それにしてもパリ・オリンピック、大丈夫なの? ちょっと心配になる程、準備をしてい
る様子も見られないパリだった。

 

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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