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パリに大正ロマネスクのスノッブホテルが?

パリ・オリンピックなので次々にパリに新ホテルがオープンしている。ちょっと気になるのはオペラ界隈に今年1月に開いたばかりの「ホテル花」(17 rue du 4 Septembre 75002)、どうして日本語かというと、日本のライフスタイルを大切にしたホテルだから、という。相変わらずの日本ブームのパリ、カタカナで書いたカフェもお目見えしているし、このホテルは漢字だという。
どうして気になるかというと、このホテルのオーナーが、避暑地サントロペでもっともおしゃれで、伝説的な「ホテル・ポンシュ」の主だからだ。
ロミー・シュナイダーやモーリス・ロネ、カトリーヌ・ドヌーヴも投宿する、極めつきに趣味のいいスノッブな宿なのだ。悪趣味な日本趣味なら気持ちが悪いけど、このホテルは写真を見てもどこか大正ロマネスクだし、セピア色の写真みたいで、行きすぎてはいない感じもする。オペラ座のすぐ近くで、デパートも近いから、便宜性も悪くない。

中心街シャンゼリゼの近くにはホテル・バルザックが、6月にリニューアル・オープンだという。58部屋あり、スパも完備で、レストランは、三つ星のピエール・ガニエールだそうだ。 

パリ・オリンピックといえば、セーヌ河岸にある箱型の古本屋に、パリ市が退去勧告をして揉めている。パリの観光名所でオリンピックをするのなら、ブキニストが並んでいてもいいのではないか、と思うけど、パリ市は一歩も引かないという。

オープニング・セレモニーは選手たちがセーヌ川でパレードをするというので、いまパリではセーヌ川が見える河岸のアパルトマンに住んでいる人たちが、その日だけ、自宅を高い料金で貸そうと躍起になっているという。
タクシーの運転手たちは、セーヌ川の橋が全て封鎖になるので、仕事ができないと騒いでいるし、相変わらず不協和音や狂想曲が起きている。

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村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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