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パリ五輪のフランス代表歌手はだれになるの?

「今季7月26日のパリオリンピック2024、開会式のセレモニーのスペシャル・ゲストとして、あなたを最高の席にご招待致します。」

インスタグラムのダイレクト・メールから、フランス人の友人のもとに、そんな招待状が送られてきたという。ところがよく見ると、正式の招待状を発送するので、その前にこの金額をまず支払ってください、と書いてあって、それも100万円近い数字だったそうだ。

実はそれは巧妙な詐欺の手口で、大勢の人たちがそのメールを受け取っている、と噂になっている。スペシャルゲストとして、最高の席でオープニング・セレモニーを見学できるというので、結構何人もの人が、この詐欺の手口に引っかかっているというから驚く。その招待状が、いかにも政府筋から来たような、重々しい文面に書かれていて、ついその気になってしまうようだ。

パリのホテル業界では、オリンピック目当てに、海外から大勢の客が来ると予測していたところ、すっかり当てが外れてしまっているという。

観光客は、今年はパリ五輪で大混雑だから、パリは避けて、他の観光地にいってしまうそうだし、日本からのパリ五輪熱狂ファンたちも、ともかく今は円安だしホテルも高いので、早朝に着き、オープニングだけを見学して、一泊せずに夜の便で帰国するという弾丸ツアーも多いというから、空港だけが大混雑になりそうだ。パリはちょうどヴァカンスの時期だし、パリにいてもセーヌの橋はどこもその時期交通遮断になるので、私の知り合いたちのほとんどは脱パリで、休暇に出かけてしまっている。

マクロン政権も、右翼の進出は選挙で阻止したものの、左派連合の勝利で、揺れに揺れていて、五輪どころではないかもしれない。それでもオープニング・セレモニーは、きっと華やかで、アートな工夫が凝らされているだろうから、自宅で寝そべってTVで見るのがいまから楽しみだ。

そのセレモニーに登場して、フランスを代表して唄う歌手は、一体どっちになるのだろう、と巷では話題になっている。最初の頃はアフリカのマリ出身のアヤ・ナカムラだと言われていて、本決まりだと思っていたのに、突然メキシコ出身で、パートナーは哲学者ベルナール・アンリ・レヴィという、歌手で女優のアリエル・ドンバルが浮上してきた。それは彼女が「オリンピック」という曲のアルバムを出し、そのビデオ・クリップでは、フランス国旗の3色の色のドレスを着て、派手な振りで踊るので、みんな唖然として、注目が集まったらしい。

あまりにもあからさまな自己PRに、日本だったら顰蹙を買ったかもしれないが、さすがフランス、どうやらみんな、面白がっているようだ。

ふたりは別々のシーンで唄うのかもしれない。ともかく今年のパリは暑い夏になりそうだ。

パリ時代から、ジェーン・バーキン家に出入りして40年近くになり、久しぶりに『ジェーン・バーキンと娘たち』(白水社)という評伝的エッセーを出版しました。7月20日発売だそうです。
ご興味を持っていただけたら、うれしいのですが。

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【7月20日開催】村上香住子が綴る『ジェーン・バーキンと娘たち』の出版を記念して、トークイベントを開催!

村上香住子

フランス文学翻訳の後、1985年に渡仏。20年間、本誌をはじめとする女性誌の特派員として取材、執筆。フランスで『Et puis après』(Actes Sud刊)が、日本では『パリ・スタイル 大人のパリガイド』(リトルモア刊)が好評発売中。食べ歩きがなによりも好き!

Instagram: @kasumiko.murakami 、Twitter:@kasumiko_muraka

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