仏テレビ界の超人気女子アナ、フォースティーヌ・ボラエとは?
「さあ 今日から再出発」(サ・コマンス・オージュルドゥイ)という、素人のゲストを数名スタジオに招いて、その人の話をきくというトークショーが、今フランスでは爆発的に人気だという。
フランス2局の番組で、毎週月曜から金曜まで、午後1時45分からスタートするもので、毎日テーマが変わり、たとえば「以前は結婚していて子供もいるが、今は同性愛者」とか、「遺産相続で家族が不和に」とか、「ヴァカンス先で現地の年下若者と結婚」とか、そうした問題を抱えた人たちがやってきて、自分の体験談を顔にぼかしも入れずに、素顔で登場する。
その番組の司会者というか、むしろ相手の話に当意即妙に返事をして、番組をまわすのが天才的に得意なので、MCといった方がいいフォースティーヌ・ボラエの人気は、このところ鰻登りだし、今ではセレブの仲間入りをして、脚光を浴びている。
今年45歳、女盛りだし、綺麗でお洒落なフォースティーヌは、現在仏女子アナ人気のトップを走っているようだ。夫のマキシム・チャタムは作家だし、ふたりの子供たちをとても大切にしているママンの素顔も、番組中時折ちらつかせるので、主婦層の支持も強く、男性層は美しいMCの魅力に蕩けているという。
彼女は23歳から、ラジオやテレビで、ジャーナリストとしての仕事を始め、多くの番組に携わっていたようだが、相手の話に誠心誠意耳を傾ける彼女のコミュニケーション力、「聴く力」が、大いに役に立っているそうだ。
エマニュエル・マクロン仏大統領も、無視できないほど人気の彼女の番組に目をつけて、「ゲスト」として出演したい、というオファーがエリゼ宮からきたそうだが、番組は丁重にお断りをしたそうだ。ちょうどその頃ヨーロッパ議会の選挙中だったので、そのために利用された印象を、視聴者に与えたくなかったからだという。大統領が出演していたら、「どうして私は、24歳年上のリセの教師だった女性と結婚したか」が聞けたかもしれなかった。
YouTubeのおかげで、仏のTV番組を色々みれるようになった。人気のドキュメンタリー番組「特別派遣(アンヴォワイエ・スペシャル)」は、長寿番組で、私がパリに住んでいた頃からやっていた。
先日は亡きアラン・ドロンと暮らしていた日本人女性ヒロミ・ロランが、これまでマスコミ取材を頑なに断っていたのに、その番組に初登場。自分たちは30年間恋人として暮らしていたのに、ドロンの子供たちに認めてもらえない、と憤懣を吐露していた。
みていて、なんだか痛々しい姿だった。今年61歳だそうだ。
このところ以前にも増して、世界のリアリティーから目が離せないでいる。
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