パリもノンアル傾向に。エネルギー源にピーナッツ・ドリンク?
健康志向はどこの国も同じで、日本と同じようにフランスも、若い人たちのアルコール離れは年々増えているし、その代わりに次々にノンアルの新しい飲み物が生まれている。
日本では若者の半数近くが、ノンアルだそうだが、フランスでは2023年は12.6%だという数字をみたことがある。日本に比べたら少ないようにみえるけど、もともとお酒呑みの国、それもアルコールの消費量が多いのは、フランスの南部の人たちだそうだ。
新しく、ヘルシー志向の人たちの間で流行っているのは、ピーナツ・ドリンクの「KORO」というもので、ピーナツと水分だけで、味は塩味になっている。一見素敵な白いカクテルにみえるので、お酒を呑んでいるようにみえるそうだが、これはジャマイカからやってきたパンチ酒の、改良版らしい。
これまで「おばあさんの飲み物」といわれて、若者は手を出さなかった「ヴィネーグル・ドゥ・シードル(VINAIGRE DE CIDRE)」というアップルサイダーも、また復活してきている。
アペリティフでは「OSCO」が人気らしく、ビオのノンアルとして、今年もビーチハウスのおしゃれな若者たちの間でもてはやされていたという。
白ワインの「ル・プティ・テトワル(LE PETIT ÉTOILE)」も、ノンアル・ワインとして注目のボトルだそうだ。
それにしてもアルコール離れが今後も加速していくとしたら、一体ワイン王国の将来はどうなっていくのだろう、とつい余計な心配をしてしまう。米国はフランスよりずっと進んでいるようだ。
そういえばパリのカフェのテラスで、ゲンズブールのように、テーブルの上にリカール酒のボトルを置き、呑んだくれて、ぶつぶついっているおじさんをあまりみかけることもなくなった。
少し寂しいような気もする。
photography: Spotlight
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