オトコが好きなファッション!? ライターの本音トーク

ミニスカ女子高生と、お笑い芸人の心が分かった日。(情けなコラム)

 

イエーイ!

今日は久しぶりに、情けなかった話をしま〜す!!
(ワクワク)

もうさ、「情けなコラム」としてシリーズ化したいんですけど。
今回はそれの最新バージョンですよ、ええ。

結論を言いますとね、
「道を歩くミニスカ女子高生と、
“笑わせた”のでなく、“笑われた”芸人の、
恥ずかしい気持ちを味わった日」
になりましたよ。

事の起こりは、おしゃれ〜な撮影スタジオの中。
雑誌「Pen」の巻頭ファッション連載「CATCH THE TREND」を、月一回レギュラーでやらせていただいてまして。
そのアイテム撮影のとき。

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この人は、20年来の知り合いフォトグラファー、加藤さん。
もうひとりスタジオにいたのは、Pen編集者の近藤さん。
おかげさまで、まー、気心知れたメンバーですよ。
オトコ3人だけで進める撮影の、楽しいことったら。

こんなとき私は本職のライターから、スタイリスト兼カメラアシスタントに仕事をチェンジします。

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この写真は準備中の様子です。

今回も、床に置いた物撮りの服をキレイキレイに整える作業をしていまして。
体育座りっていうんですか、膝を曲げてしゃがんでたんですが。

突然、尻から、
ブリッ
という爆音が。

うお!出ちゃったのか !?
ん、しかし、体は違和感を感じてねーぞ !??
何?なに??

と思って尻を触ったらですね、
ズボンのケツのセンターが、見事に破れてまして。

この状況の擬音は、
ビリッ
ってのが正しいと思うんですけど。

たぶん人生初の、
「しゃがみズボン避け」
ですよ。

ぼそっと、
「避けちった……」
とつぶやいた私を見て、二人は苦笑いですよ。
たぶん、爆笑するのは気の毒だと思ったんでしょうね。
マトモな人格者たちなんで。

なんといいますか、このとき爆笑してくれたら、その後の気持ちが軽くなったかもしれないですが。
もう、テンションだだ下がりですよ。
でもしかし!
私以外に、スタイリスト兼カメラアシスタントはいませんから。
気を取り直して仕事を続けました。

ところがその後も、ときどき尻から、
ビリッ
と、裂け目が広がる音が飛び出す始末。
そのたびに、一人で照れ笑いする気持ちって、
皆さんはお分かりになります !???

下着のパンツを丸出しで仕事してる情けなさったら。
お笑い芸人さんが、笑わせるつもりなく笑われる恥ずかしさについて口にすることがありますが、
「あ〜〜こーゆーことか」、としみじみ実感しましたよ。

一通り撮影が終わったあとにフォトグラファー加藤さんがニヤニヤしながら、
「写真撮ってあげましょうか〜〜!」

真顔の私の答え。
「……いや、別にいい……。使い道ないし」

ブサイクオトコの下着丸出しの尻なんか、誰も見たくないじゃないですか。
SNSでアップもできない写真なんか、持っててもしょーがないってんですよ。

それより、
「どーやって帰ろう……」
ここは学芸大学ですよ。
お家まで遠いんですよ、電車乗り継ぎコースですよ。

「どっかで安いパンツ買おうかな〜。
でも学芸大学に、古着屋とかユニクロとかないよね……」
ってとき、ピッと頭にひらめきました。
「そーだ、バッグにカーディガンが入ってる。
ウエストに巻けば、尻をカバーできる!」

そーやって腰に巻き付けて隠した私の姿を見て、
ようやくPen近藤さんが爆笑ですよ。
やっと思えましたよ。
「ま、いっか……笑い取れたし」

いつも撮影の場は、親しくても緊張感を忘れないのがスタッフのマナー。
ときには真剣に議論しながら、皆が写真づくりに没頭するものです。
私だって笑い取るために、わざわざ学芸大学まで来たワケじゃないんですけど。

こんなのが、この日のエピソードでございます。
ただ、話はもうちょっと続きましてね。

 

えーーーーーー、
帰りは結局、優しい加藤さんが家の近くまで車で送ってくれました。
カーディガンを腰に巻いてることを忘れそうになってたものの、車からチャッと降り、
「ありがとー!まったねー!」
と手を振り、歩き始めました。

この日は暖かく、風が強い日でして。
歩いてるとカーディガンの裾がピラピラと動きます。
そこでバッグを肩に掛け、両裾を手を伸ばしてギュッと掴んで、
汚いオトコの下着を見せないようにしました。

どーしても小股で歩くしかなく、気づいたら、
「や〜ん。パンツ見えちゃう〜♡」
な歩き姿。

…………………。

あぁ、ああ!ミニスカ女子高生の気持ちが分かったともさ!
あぁ、ちげーよ、何かに目覚めたりはしねーよ!
ただただ、情けなかっただけだよ!
いい年したオッサンが、やってることじゃねーよ!

 

…………………。

くれぐれもお気をつけくださいませ、皆さま。

ところで、破れたズボン、見たいですか?
そーですか、見たくないですか、じゃあ見せちゃいますね。

 

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家帰ったときの状態のまま。
見事なまでに股下から腰布までイッちゃってます。

「だからー、安いの買うから〜」
ですって?
いやいやいや、こー見えても、メンズドレスウェア好きなら知らぬ者はいない、イタリアのパンツ専業ブランドの品なんですよ。

スラックスタイプのパンツの縫製仕様にはいつも、一抹の不安があったのですが、的中しちゃいましたね。
「作業着じゃないから頑丈にはつくってない」、と言われればその通りとはいえ、この破れ具合はトラウマになりそう……。
「これからは薄着の季節でも、外出するときは腰を隠せる何かを持っていこう」
そう決心した日になりましたとさ。

photos © Kazushi Takahashi
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ファッションライター高橋一史 過去ログ

高橋一史

明治大学&文化服装学院卒業。編集者がスタイリングも手がける文化出版局に入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。担当ジャンルは、ファッション&音楽。退社後はフリーランスとして、原稿書き・雑誌編集・コピーライティング・広告ディレクション・スタイリングなどを行う。

kazushi.kazushi.info@gmail.com

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