かぐわしきみなと通信

ペニンシュラ香港で、歴史を辿る食の旅へ

「東洋の貴婦人」と謳われる名門ホテル、ペニンシュラ香港は今年創業90周年、と言うことで、その歴史を振り返るさまざまなイベントが催されています。

広東料理のスプリングムーン、最上階にあるモダンヨーロピアンのフェリックス、シックなフレンチのガディスという、ホテル内3軒の人気レストランで2品ずつ食しながら、ペニンシュラの食を満喫する「カルナリージャーニー」というコースは以前からあったもの。

これを90周年に合わせてアップグレードしたので、ぜひ試してみて♪ とお招きいただいて行って参りました。

先月、入院して手術をしたりしていまして、久しぶりに華やかな席にうかがうので、ワクワク!

やっぱりペニンシュラは、ロビーに来ただけで気分が上がる場所です。

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この日はまず新しくできた「アーカイブルーム」に来てね、とのこと。

部屋に案内されて、まず最初に受け取るのがこのパスポート!

慌てていたら旅行の時にバッグに入れてしまいそうなデザインです。

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中はちゃんとこんな風にパーソナライズされていて、びっくり!

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このアーカイブルームは、90周年を記念して、創業以来のペニンシュラ香港にまつわる様々なアイテムを集めて展示する部屋なのです。これがもう世界各地に散らばっていたものたちを、キュレーターが懸命に収集したのだそう!

いちばん左が、ペニンシュラ香港のホテルマネージャーの大場正久さん! 3レストランの支配人や、総シェフ、キュレーターやGMなどが勢揃い。新生カルナリージャーニーは、まずこの部屋でシャンパン&カナッペをいただきながら、歴史有るアイテムを見学するという時間からスタートするようになったのです。

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ペニンシュラ香港内のスイスレストラン、チェサに40年勤めたという名物社員の方に案内していただき、いざ、アーカイブルームの見学です♪

1978年の50周年記念のさまざまなアイテム。ペニンシュラに関わる書籍も多数ありました。

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カードや記念品や、幸運の象徴として大人気を博したというペニンシュラ香港のお年玉袋など、さまざまなものがあります。

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おお!来ました!歴代のテディベア from ペニンシュラ!

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私が個人的に一番盛り上がったのは、創業以来使われている食器コーナー!

おなじみの柄、コーラルクレストもありました。

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創業時に全館で使われていた陶磁器や銀食器。ペニンシュラの銀食器は使い込まれているので、少しゆがんでいたりするところがまた味わいがあるのです。

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VIP用の古い芳名帳も。表紙の柄は、今もロビーの入り口のガラスに描かれているものと同じです。

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1970年代の書き込み! そんな頃のペニンシュラにも来てみたかったものです。

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本日うかがうガディスの古いメニュー。なんと3Dになっています。今はこれができる職人さんがいなくなってしまったのだとか。

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まだまだたくさんのお宝が、アーカイブルームにあります。

ペニンシュラの生き字引である勤続40年の林小平(Lam Siu Ping)さんに案内していただきました!

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さて、この日の次のメインイベントは、カルナリージャーニーのメニュー試食。本来は、スプリングムーン、フェリックス、ガディスの3軒を回るわけですが、この日はガディスのお試しでした。

いつ来ても優雅さに酔いしれてしまうのがガディス。この日のために、復刻版メニューを使ったプレゼンテーションンでお出迎え。

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専属ミュージシャンたちによる生演奏も雰囲気たっぷり。

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少しチリが入ったオレンジ色のバターが美味しいんです!

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一品目はオーストラリア産夏トリュフとカリフラワー! カリフラワーって、日頃地味な野菜なのに、ファインダイングで食べると、これでもかと風味が前面に引き出されて、突然主役級の食材になりますね。

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美しき銀食器に風格が!

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中にはこちらの鳩料理が! フランス産の鳩の異なる部位を使って、食感や風味の違いを楽しめました。美味! セロリのピューレとトリュフが味のアクセントに。

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極上のデザートワインがやって来ました。

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美しきチョコレートの球には、カラメライズしたバナナと、ピーナッツバターのアイスクリームを組み合わせて。

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プティフールもいつもながら艶やかで美味しい!

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この日は香港に来た頃からの友だちで有名ジャーナリストのチャン・ワイさんと、香港人ですが長い間上海や北京のペニンシュラでリージョナルマーケティングを担当しているセシリアさんと、おしゃべりを楽しみました。日本人だけれども香港にずっといる私とセシリアさん、何となく通じ合うものがありました。これからは香港での滞在も増えるそうです。

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さて、今回はダイジェスト版だったカルナリージャーニー。パスポートの訪ねたレストランのページにスタンプを押してくれます。

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食事自体の美味しさとともに、歴史と個性溢れる3つのレストランをそれぞれ楽しみつつ、アーカイブルームでとっておきのお宝に触れる時間も過ごせるという、贅沢で特別な夜が過ごせそう。そしてお値段は1928香港ドル・・・・・・そうです、創業年の1928年から付けられていて、豪華な内容を考えるとお手頃感があります。

3時間ぐらいは軽くかかる、ゆったりとしたプログラムなので、ぜひ老舗の魅力を味わい尽くしてください。

甲斐美也子

2006年より香港在住のジャーナリスト、編集者、コーディネーター。東京で女性誌編集者として勤務後、英国人と結婚し、ヨーロッパ、東京、そして香港へ。オープンで親切な人が多く、歩くだけで元気が出る、新旧東西が融合した香港が大好きに。雑誌、ウェブサイトなどで香港とマカオの情報を発信中のほか、個人ブログhk-tokidoki.comも好評。大人のための私的香港ガイドとなる書籍『週末香港大人手帖』(講談社刊)が発売中。

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