香港のシェフと鹿児島食材視察ー緑茶の里、知覧町で茶園見学
今年の3月、香港で活躍するシェフたちと一緒に、3泊4日で鹿児島県の食材視察にうかがうという珍しい機会をいただきました。
ご一緒したシェフたちは、実はものすごい豪華メンバーなのです。
香港空港からいざ出発するときの集合写真です。
右から、このブログでもずっと前に紹介したNeighborhoodのデビッド・レイさん(今年の「アジアのベストレストラン50に初ランクイン!)、フィガロ2月号「24時間、香港中毒」で紹介した「口利福」の他、香港で18軒の最先端レストランを抱えるブラックシープレストランの経営者クリストファー・マークさん、同じく「24時間、香港中毒」で紹介した「フランツェンズ・キッチン」のジム・ロフォーダルさん、ブラックシープレストランの南イタリアレストラン「オステリア・マルツィア」のルカ・マリネッリさん、個性派創作居酒屋「オクラ」オーナーシェフのマックス・レビ―さん。
超多忙なシェフたちが、よく集まってくれました、感謝、感謝。
こちらは桜島を背景にした美しき薩摩切り子@仙厳園。
鹿児島と言えば、牛や豚という印象が強かったけれども、実際にあちこち行ってみると「これも鹿児島名産だったのか」と言う食材のオンパレード。
そんな一つが「知覧茶」として知られる日本茶の名産地、南九州市の知覧町でした。
恥ずかしながら全然知らなかったのが、鹿児島は静岡に匹敵するほどの日本茶の生産地(全国2位)なのです。
この日は、30年もの間、無農薬有機栽培にこだわっているという「おりた園」にうかがいました。
知覧町に入ると、もう辺り一帯お茶園だらけです。子どもの頃から大のお茶好きな私ですが、実はお茶園を訪ねるのは今回が初めてということに気が付きました! これだけお茶の木があると、フラボノイドが充満して、空気も清らかになっているのではないかと思うほど。
訪問の初めは、おりた園の折田光司さんによる、日本茶の基本知識のレクチャーから。
30年前、茶園で農作業を始めた折田さんのお父様が、当時使用していた農薬で体を壊したことが最初のきっかけで、作る人にも飲む人にも、安心で安全な農法で作られたお茶を提供したい、と無農薬有機栽培を始められたのだそう。
今でこそ、当たり前のコンセプトに聞こえるかもしれませんが、かつては、まったく理解を得られないことも多かったとか。農法も試行錯誤で確立していったそうで、よほどの強い意志がなければできないことでしょう。頭が下がります。
そんな清らかさに満ちたお茶と、折田さんのお母様の手による自家製ケーキをいただきました。忙しく走り回った視察の疲れがすっきりと癒やされるひとときです。
レクチャーの後、いよいよお茶園へ!!!
この辺りは、桜島の火山灰が滞積されていて、素晴らしい土壌なのだそう。気候も温暖でお茶作りに適した地域なのです。
農薬を使わずに丁寧に世話されてきた土壌・・・・・・と聞くと、好奇心旺盛な野趣溢れるシェフは何をすると思いますか?
答えは、その辺に生えている雑草を摘まんで食べるんです(笑)。それで土壌のタイプや良さが分かったりするんだとか。
「ほら、この草はちょっと酸っぱいね」とか言いながら、雑草の葉を差し出されてしまい、勢いで口に入れていたら、シェフが私に手渡したところは見ていなかった方達から「甲斐さん、雑草食べてる・・・・・・」という呟きが聞こえてくるではないですか!
実は同日の朝、カンパチの養殖場で、魚の餌をシェフに食べさせられているのも目撃されていたんですね。
自分から食べたのじゃなくて、食べさせられたんですーと言う私の心の叫びも空しく、すっかり変人枠に(笑)。お腹を壊さなくて良かったです。
整然とした茶畑。鰹節で有名な枕崎市から近いため、一部で鰹節製造時に出た茹で汁を肥料に使うこともあるのだそうです。
無農薬農園では、除草は手作業で行うのだそうです。一方、茶摘みは機械化されています。これが茶畑の畝と同じ幅になっているそう。
茶摘み機の上には、どっさり摘まれた葉が入ります。
お茶の木はツバキ科だと言うのは、葉を見ると実感できますね。
地平線まで茶畑が続く知覧町「おりた園」で記念撮影(笑)。なんだか遠足の引率のお姉さんの気分になっていました。
鹿児島市内に戻ってから。ハイボールや酎ハイも、知覧茶ベース!やたらに美味しいのです。
外国人の皆さん向けのツアーであっても、結局日本人である私にとっても、目から鱗が落ちる体験の連続になりました。
またちょこちょこと鹿児島紀行、ご紹介しますね♪
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