鹿児島で金柑の果樹園とウィスキー蒸留所へ
前回から引き続き、香港のトップバーテンダー(Quinaryのサミュエル、Stocktonのスラージ、Caprice Barのイメルダ、Bar Awards Hong Kongのサンディープ)+日本の後閑信吾さんとともに回る、鹿児島焼酎の旅。
2日目の始まり、始まり。
絞り汁や、皮をちょっと絞ると出てくるオイルが、多くのカクテルで使われている柑橘系のフルーツは、バーテンダーの皆さんにとって大切な食材です。
ここ2年ぐらい、ひと味違う柑橘系ということで、香港では柚子(「これは、ゆじゅー」とみんな説明してくれます、笑)を使うのが流行っています。
先日香港のバーで「みんなが柚子使っているから、僕は敢えてかぼすを使ってみた」と教えてくれたアメリカ人のバーテンダーさんがいました。ちょっとひと味違う柑橘系にはみんな興味があるから、「Next Yuzu」を見つけられたらいいなと、ぜひ行程に何かしら入れて欲しいとお願いして実現したのが、こちらの果樹園訪問でした!
銀座の千疋屋に金柑マーマレードを卸しているという、こちらの「清木場果樹園」。そう、なんと廃校を生かした設備なのです。いろいろな張り紙などが、学校のときのまま残っていたりして、こどもたちの歓声が今でも聞こえてくるような気がしてしまいます。甘酸っぱくもほんのり苦い、不思議な思いにとらわれます。
そんな思いを味に移し込みながらも、優しい甘さが引き立っている金柑マーマレード。底抜けに美味しかったので、私も自宅用に買い込みまして、これを塗ったマーマレードトーストを食べるのが楽しみになりました。
横を見たら、うっとりと金柑マーマレードを食べるスラージの姿が!(その1)
後から写真を見たら、スラージがあまりにも美味しそうに食べたり飲んだりするせいか、あちこちで写真に映っていて、スラージ写真集が出来そうです、笑。
説明をうかがった後、金柑がたわわに実るビニールハウスを見学しました。皮も剥かないでそのまま食べられるって知りませんでした!
ちなみに「今回の旅で印象に残ったことは?」と後で香港のみんなに聞いたら、全員一致で挙げてくれたのが、この急速冷凍庫! 鹿児島県が産業助成の一環で購入補助してくれたんだよ、とお話いただいたことに、みんな感心したんだそうです。
こちらで作ったマーマレードをカクテルに使うのもありだね、旬と関係なく使えるし、とイメルダとサンディープ。最近ジャムやマーマレードをカクテルに使うのが流行っているんだそうですよ。
この後うかがったのが1872年創業の名門「本坊酒造」の津貫蒸留所。こちらは焼酎とともに、国産ウィスキーの草分けでもある、マルスウィスキーでも有名なのです。
こちらは熟成中のウィスキー貯蔵倉!何とも言えない芳香が漂います。
こちらは樽に入れたばかりの「ニューカスク」と3年熟成したもの。こんなに美しい色が付くんですねー。熟成の過程で蒸発してしまう分を「エンジェルシェア」と呼ぶのが、何とも粋です。
その後は、私のお気に入り空間でもある本坊家旧邸でテイスティングの時間!
見てください、この空間! 1933年築というレトロ感がたまりません。もちろんこんなに立派ではありませんでしたが、私自身も同じ頃に建てられた古い家で育ったので、懐かしい気持ちになります。
見てください、このお庭! 縁側でお茶を飲みたくなる!
そして、このバーカウンター! すべてがアンティークという麗しさ。
この素敵カウンターで、いよいよテイスティング! 貴重なウィスキーが次々と出てきました。
また見つけてしまいました、幸せそうに試飲するスラージ(その2)。これ、実はマルスウィスキーの「駒ヶ岳」ブランドの中でも稀少な、シングルカスク(1つの樽で熟成させたもの)で、1つは6年もの、もう一つはなんと26年もの。数がすくなくて市場にはもう出回っていないという超逸品でした。
さすが日本が誇るバーテンダーの後閑さん、これをゲットしました! うーん、嬉しそう(笑)。
この日は特別に鹿児島の名産品たっぷりの昼食をいただきました。こちらは予約制だそうです。
ほら、お重にもマルスのロゴが入っていますよ。
新鮮な食材尽くしで、もう美味しいに決まってますね! そして、お仕事ですから、昼から焼酎、いやあ、ご飯に合います。
まだお昼になったところだというのに、すでに盛りだくさんな1日! この辺で次回に続きます。
鹿児島の旅、こうやって振り返るのも楽しすぎる思い出です♪
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