かぐわしきみなと通信

さり気ないのに実は優秀、SOHOの新ダイナー

香港のセントラルにあるSOHOと言えば、世界各国のレストランやバーがずらっと建ち並ぶエリア。

ものすごい名店もありますが、まあまあ及第点的なあまり印象に残らない店も割とあります。

しかし今年2月にSOHOのど真ん中にオープンした新ダイナー、Big Surは、そのさらっとした雰囲気に、さらっとしただけの店だと思ってしまうのは早すぎるのです。

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近所の愛犬家が集まるテラスと、道行く人を眺められるカウンター席がまた、フィーリングッドなアメリカンダイナー、ではありますが、ここのシェフは、すぐ近くにある12,000 Francsを始めとする、私のお気に入りの店ばかりを手がけてきたコナーさん。センスがいいんです、彼は。

ということで、暑過ぎず、湿気があり過ぎないという、高温多湿が標準な香港では珍しい、まさに「春」と呼びたい日のランチタイム、この店のPRをしている友だちのマギーと会って、近況報告も兼ねながらいろいろ試して来ました。

まずはすべて絞りたてのフレッシュで水外なにも加えていないという自慢のジュースから「No. 10」を。パイナップル、人参、生姜、レモンです。あービタミン補給!

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こちらは最近すっかり定番メニューになっている、ハマチのセビーチェ。熟成や発酵などの調理技術に長けているコナーさんらしく、ほどよいまろやかさでハマチが馴染んでいます。

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シェフ・コナーは何でも手作りしないではいられない凝り性なので、当然、タコスも自家製のフレッシュな味わい。
こちらのキッチンで燻製にした牛バラや自家製コールスローなどやっぱり嬉しい組み合わせ。

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この日、いちばん感動した&次回もきっと頼んでしまう&マギーも必ずこれを頼んでしまうそう、というメニューが手作りのフムス。質のいい日本の卵を温泉卵風にして載せて、野菜は香港のローカル農園で作られたフレッシュなもの。すっきり切られたグリーンアスパラの断面を見ると、美味しそうなのが伝わりませんか(最近どうも断面の美しさに魅せられやすい)。卵を崩してフムスと混ぜて野菜スティック風にしたり、パンにつけたり。至福!!!ヘルシーなものを食べている感覚が全身を包みます。

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密かに後日思い出して食べたくなることがあるのが、こちらのヌードル。手打ち麺はもちろん、このスープが絶品。シェフ・コナーは、アメリカ人でフレンチの修業をしながら香港にいるわけですが、香港にいる間もフレンチから、インドネシア料理の店でもインドネシア人シェフと組んで調理をしたりして、いろいろな調理を身につけている人。そんな経歴が見事にこの中に生きていました。

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ちなみに卵を割ると、ほら! たまりません♪

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シェフの人柄と実力を知っていると「この人は健康的でいい食材しか使わないし、変な調味料をこっそり入れたりしないし、手作りできるところは手作りして美味しいに決まっている」と安心して食べられるのがいいところ。

はい、でもやっぱりアメリカンダイナーですから!ハンバーガーなども美味しいそうです。やっぱりこういうのも食べないと。さっくり軽いチョコレートドーナッツ♪ 幸せ!

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この日は飲みませんでしたが、場所柄、バーもとても充実していて、香港クラフトビールの草分け、ヤングマスター(少爺)のタップがずらりあるんですよ。

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こちらがヤングマスターのメニューボード!いろいろな種類があります。中でも注目は、王家衛の名画「花様年華」をイメージした「花釀年華」。ジャスミンティー、菊茶、キンモクセイなどを使ったフラワリーで優雅な味なのだとか。次回試してみたいです。

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そんなこんなで、たっぷり美味しく食べておしゃべりも楽しんだランチタイム。香港で会う女性は、年齢は私よりずっと下だったりするのに、しっかりしていて、自信にあふれていて、私がうじうじしていると励まされ、いろいろ素敵なアドバイスをしてもらって、何だかとっても頼りになるんです。年の功ってどうしたら出てくるんでしょう、笑?

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店内にも密かに、こんな香港をテーマにしつつアメリカンな雰囲気のオリジナルアートがあったりします。

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さらっと来て、美味しく食べたり、ドリンクだけ頼んで、ノートパソコンで仕事もちょこっとこなしたりしつつのんびり、なんて過ごし方もしてみたくなるお気に入りのスポットになりそう。

 

甲斐美也子

2006年より香港在住のジャーナリスト、編集者、コーディネーター。東京で女性誌編集者として勤務後、英国人と結婚し、ヨーロッパ、東京、そして香港へ。オープンで親切な人が多く、歩くだけで元気が出る、新旧東西が融合した香港が大好きに。雑誌、ウェブサイトなどで香港とマカオの情報を発信中のほか、個人ブログhk-tokidoki.comも好評。大人のための私的香港ガイドとなる書籍『週末香港大人手帖』(講談社刊)が発売中。

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