心と身体を元気にする、薬膳レシピ

バルサミコたっぷりの鶏肉の煮込みで、身体をポカポカに!

こんにちは。今回からまたボストンよりお届けしています。
12月も目前だというのに今年は暖かいですね。とはいえとっくに立冬も過ぎていることですし冬の食養生のお話を。

冬の気候の特徴は言うまでもなく“寒さ”です。
養生の基本は「身体を温める食材を使って、温かいお料理に仕上げて食べる」こと。その他に、寒さによってもたらされる不調に合わせて食材を選ぶことも大切です。
寒さによる不調とは気血の巡りが悪くなることと「腎」を傷めること。ストレスなどによっても滞る気血の巡りについてはイメージしやすいですよね。では腎を傷めるってどういうこと?という疑問にお答えしつつ、今回は腎をケアする料理「鶏肉とゴボウのバルサミコ煮」をご紹介します。

腎は現代医学でいう腎臓の働きの他に成長、発育、老化にも関わるところで、生命の元となるエネルギー、“精”を蓄えるところ。胃腸や肺と協調して水分代謝も担いますが、寒くなると汗をかかなくなるため水分代謝は腎の働きに頼ることが多くなります。このため酷使される腎を傷めやすくなるのです。腎を傷めると手足やお腹の冷え、足腰の痛み、ぎっくり腰、尿もれ、難聴、物忘れがひどくなる、などの症状がでます。腎は生殖にも関わるので妊活中の方も要注意です。

日本でも昔から「精がつく」と言われる食材が腎に働きかけて動きを助けます。その“補腎”の食材をうまく取り入れることがポイントです。

今回ご紹介するレシピでは鶏肉とゴボウが補腎の食材です。他に長芋、カリフラワー、ブロッコリー、キャベツ、ニラ、栗、クルミ、黒ゴマ、エビ、鯛、ホタテ、豚肉などがあります。

鶏肉は温め食材ですが、薬膳ではゴボウは冷やすものとされています。その分温めるバルサミコ酢、タマネギ、シナモンを合わせ、寒い時期向けに煮込み料理に仕上げました。(余らせがちなバルサミコ酢、このレシピでぜひ消費してください!)
トッピングのパセリはただの彩りではなく、味的にも効能的にもオススメ。おいしさが倍増しますし、バルサミコ酢同様、血行促進効果も期待できる温め食材なので、ぜひたっぷり振ってください。

ホリデーシーズンにもぴったりなこのレシピ、ぜひお試しくださいね。

鶏肉とゴボウのバルサミコ煮

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【材料】2人分

鶏モモ肉 大1枚
ゴボウ 1本
タマネギ  1/2個

A
バルサミコ酢 50ml
水 50ml
赤ワイン 100ml
塩 小さじ1/2
シナモンパウダー 少々

はちみつ 大さじ1/2
エクストラバージンオリーブオイル 大さじ1/2
パセリ 適宜

【作り方】

  1. 鶏肉は食べやすい大きさに切り、分量外の塩少々をふる。タマネギとパセリはみじん切り、ゴボウは縦に4つ割り(太い部分は6つ割り)にして長さ5cmに切る。
  2. 厚手の鍋にエクストラバージンオリーブオイルを入れて熱し、1の鶏肉の表面にしっかりと焼き色をつけて取り出し、軽く脂を捨ててからタマネギを加えて炒める。しんなりしたら鶏肉を戻し、Aとゴボウを加え、蓋をして中弱火で15分ほど煮る。
  3. 2にはちみつを加え、火を強めて混ぜながら照りが出てくるまで煮る。うつわに盛り、パセリを散らす。

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ちづかみゆき

料理家・国際中医薬膳師。身体を壊したことがきっかけで薬膳を学び資格を取得。上海、ボストンで活動後、東京に拠点を移す。旬食材の効能を活かした心と身体に寄り添うレシピを提案。料理教室meixue(メイシュエ)主宰。雑誌、企業へのレシピ提供、コラム執筆などを行う。近著に「暮らしの図鑑 薬膳」「巣ごもりごはん便利帳」など。
http://meixue.jp
Instagram: @miyukichizuka

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