England's Dreaming

ロンドンで楽しむ、スコットランドの知られざる味。

今年2月にロンドンのイズリントン地区にオープンした「Auld Hag」はこれまでありそうでなかった、スコットランドの味に特化したデリ&カフェ。

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お店の外観。青地に白いラインが斜めに交差する、スコットランドの国旗が小さく描かれている。

その名前の意味を辞書で調べてみると「auld」はスコットランド語の「old」で、「hag」は魔女を指すという。つまり「年老いた魔女」。なんだかスコットランド民話の登場人物みたいだな。

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看板に描かれているのはまさに「年老いた魔女」?スコットランドの象徴的な帽子であるタム・オ・シャンタ(しかもタータンチェック!)を被っている。

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そもそもスコットランドの食べ物って? そういえば昨年グラスゴーに行った時には美味しい魚介類が印象的だった。またオーツなどの穀物を多く使っている印象があるけれど...。などと考えながらショップのインスタグラムを見てみると、スコットランド産の小麦を使って店内で焼いたパンに、やはりスコットランド産のソーセージやベーコンを挟んだサンドイッチ、パイ、素朴なスイーツなどの気軽に試せるメニューが並んでいる。

ちょっと驚いたのはタティ・スコーンと呼ばれるスコットランドのポテトパンケーキを具にしたサンドイッチなんかもあること。炭水化物+炭水化物?興味津々。

店内をのぞいて、まず目に飛び込んできたのはカウンター上に並ぶ可愛いお菓子。ジャムをサンドしたビスケットをアイシングで覆い、てっぺんには色とりどりのゼリーがちょこんと乗っている。エンパイア・ビスケットという名でスコットランドならではのものだそう。

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イギリスに住んで長いけれども初めて見たエンパイア・ビスケット。何色のゼリーにしようかな?

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その他にも魅惑のお菓子が並ぶ。

お昼時でお腹が空いていた私はスコッチ・パイを注文してみた。スパイスで味付けしたスコットランドの大地で育った羊のひき肉をさくさくのパイ生地で包んでいて、パンチがありながらもどこか懐かしい味。添えられたケチャップとブラウンソースも良い。

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なんだか可愛いスコッチ・パイ。

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店棚にはスコットランド各地で作られたチーズやバターなどの乳製品、ドリンクなども並んでいる。

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パッケージ買いしたくなるビールの数々。

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イングランドではあまり見つからない品々が並ぶ。

ロンドンではあまり見かけないメーカーのハギスがあったので買ってみた。

ハギスとはスコットランドの伝統料理で、羊の内臓のミンチにオートミールやスパイスなどを混ぜた詰め物料理。説明だけ聞くとちょっと躊躇しちゃいそうな食べ物だけれども、ジューシーなミンチ、鼻腔に抜ける爽やかなスパイスとオートミールのプチプチした食感が美味しく、私の家族は全員、大好物なのだ。

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ハギスのパッケージ、中身、調理例はこんな感じ。オーブンで約1時間蒸し焼きにする。マッシュポテトを合わせることが多いけれども我が家ではローストポテトを添える。

実は私がお店を訪れた時、パイを食べ終わってふと周りを見回してみたら常連らしき人たちの多くはホットサンドイッチを食べていた。次回「Auld Hag」に行った時には私も、スコティッシュ・ポーク、スコティッシュ・ハムとともにピクルスやスイートマスタードなどをはさんだ超絶ボリュームのサンドイッチが食べたい!

坂本みゆき

在イギリスライター。憂鬱な雨も、寒くて暗い冬も、短い夏も。パンクな音楽も、エッジィなファッションも、ダークなアートも。脂っこいフィッシュ&チップスも、エレガントなアフタヌーンティーも。ただただ、いろんなイギリスが好き。

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