
フランスのビザ取得は、鶏が先か卵が先か。
こんにちは、鈴木桃子です。
パリはファッションウィーク中。
友人も来たりして、お祭り気分です。
さて、前回は私がパリに移住したきっかけをお話ししましたが、
今回は、具体的にどんな準備をしたのか綴りたいと思います。
まず、海外で暮らすことを考えた時にいちばん初めに対峙するのがビザ問題。
家族を連れて行くとなると、さらにハードルは上がります。
調べに調べて、ビザの目星はつけたものの、
私でも本当に取得できるのか?何が必要なのか? わからないことだらけ。
それにフランスのビザは条件が変わりやすく、ケーススタディもいろいろなようで、
インターネットで検索しまくって、友人や知人にたくさん質問しても、
正しい情報がどこにあるのか掴みにくいのです。
近年、ビザが却下されるケースも増えていると聞き、不安は募ります。
アメリカのビザと対峙した際に却下されることの怖さを実感していたため、
正しい情報を得ることにお金を出すのを惜しむべきではないと思い、
大使館と強いコネクションを持っているという、ある留学団体へ相談に行きました。
しかし彼らにとっても、私の状況はこれまであまり事例のないケースとのこと。
子どもの留学と大人の留学、それぞれに強いふたりの方が情報を集めてくれ、
私が真っ先にやるべきことは、息子の学校を決めることだと判明。
しかし公立の学校の場合は、その国に住んでいる証明がないと入学許可は出ません。
鶏が先か卵が先か、の状態。
必然的に私立の学校となり、
日本語もしくは英語でコミュニケーションが取れる学校を選ぼうとすると、
自ずと選択肢は絞られました。
フランスの新学年は9月開始ですが、この時点でもう6月。
しかもフランス人の長い長い夏休みに入ると、何も連絡が返ってこなくなることは、
フィガロジャポンの編集者の経験から身を以て知っています。
時間との勝負で、ひたすら学校にアプローチする日々が始まりました。
フランス語ができない私は英語のメールで問い合わせたのですが、
英語、日本語、フランス語など、返信の言語はさまざま。
しかし、予想していたよりも何倍もきちんと返ってきました。
その中でも、返信の言葉が優しさに溢れていた、ある学校と、
ドキドキしながらオンラインで面談することに。
私「息子は英語が話せますが、フランス語は話せません」
学校「大丈夫よ〜。英語でフランス語を教えるから」
私「日本人はいますか?」
学校「いないですね、アジア系はいますよ」
私「英語の学校にずっといたわけではないのですが、授業についていけますか?」
学校「少人数制で勉強するので、しっかりサポートします」
私「学年を落とす必要はないでしょうか?」
学校「うちの学校は学年を落とさず、必ず3年で卒業できます」
私「え!必ず!?」
いろいろ不安な点をぶつけましたが、とても温かい対応に惹かれました。
また、少人数制でケアが行き届いていること、
英語でフランス語を教えてくれるということも決め手に。
そんなこんなで、無事に入学許可をゲット!
ちなみに、フランス語が主軸の学校からはいくつかお断りされました。
フランスは高校3年生でバカロレアを受けないといけないため、
フランス語が話せない中学生以上の受け入れは難しいと捉えることも多い様子。
しかし移民の多い国なので、
フランス語の話せない生徒を受け入れてくれる公立校もあり、
そのあたりの事情はまたの機会に綴ります。
英語が話せる息子は、英語が主軸の学校から断られることはありませんでしたが、
高校生ともなると、学校選びは難しいということを実感しました。
小学生、中学生の早いうちであれば、学校の受け入れはもっと柔軟だと思います。
息子の学校入学許可証を得て、ほっとひと安心も束の間。
次にやるべきことは、パリでの住居をゲットすることでした。
これまた、その国に住んでいる証明がないのに部屋を借りるって難しすぎます。
またも、鶏が先か卵が先か、の状態。
そして、追い詰められた私は、住宅詐欺に遭うのでした。
次回、住宅詐欺編をお届けします。
なにはともあれ、ウフマヨ大好きです。
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