
フランスの学校はバケーションばかり! ポルトガル旅行記・前編。
こんにちは、鈴木桃子です。
フランスの学校は、1年中バカンスだらけです。夏以外に、こんなに学校が休みだとは知りませんでした。5月なんて、何日学校に通ったことか……。そして、バカンス前にいち早く休んだり、遅れて戻ってくる子もかなり多いそう。自由、とにかく自由! 皆勤賞の美学のもとで育てられた昭和ラスト世代には驚きしかないですが、いろんな場所を旅して経験することって本当に大切だし、何よりの学びの場。こうやってフランス人はバカンスの重要性を子ども時代から培っていくのか、としみじみ感じています。
さて、そんなバカンスだらけだった5月のこと。ずっと行きたかった念願のポルトガルを、息子とふたりで訪れました。2019年4月発売号のフィガロジャポンで、ポルトガルを特集しましたが、その時にページを作りながら、行きたいなと眺めていた店の中には、残念ながらコロナ禍で閉店しまったところもちらほら。でも、ジブリ映画のロケ地とも称される愛らしい街並みや素敵な手仕事、おいしいシーフード料理を堪能することができました。今回は、私的におすすめだった、ポルトガルのアドレスをご紹介させてください。
まずはポルト。赤い屋根が広がる街並みは、『魔女の宅急便』の舞台とも称されています。
街角でジジみたいな猫も発見。猫好きな息子はひたすら猫を探していて、「岩合光昭の世界ネコ歩き」シリーズを継げるのではないかと思うほど。
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何もしないことを目的としていたポルトだったので、ひたすら歩く毎日。でも素敵なアズレージョの家々が並ぶ景色に、時間を忘れてどこまでも歩けてしまいました。
フィガロジャポンのポルトガル特集で表紙になった、ドン・ルイス一世橋からの眺めも満喫。この直前に息子とはぐれ、携帯電話の充電も切れていたため電話が繋がらず、ポルトの街を1時間探し歩きました。素敵な景色を前に、喧嘩後で黙り込む親子。ティーンエイジャーとの旅行は、そんなものです。
ハリー・ポッターの作者J.K.ローリングが通い、映画のモデルにもなった本屋レロ・イ・イルマオンにも立ち寄りました。1869年創業、世界一の書店と言われる書店とあって、重厚感のある美しい佇まい。
アーティストの移住者が多い街とあって、ギャラリーもたくさん。ローカルアーティストの作品を集めたÓ! Galeriaは、居心地の良い空間でした。
エッグタルトをお目当てに、1921年創業の名物カフェ、マジェスティックへ。街中にもエッグタルトを売っているパティスリーはたくさんあるけれど、ここは甘さ控えめの上品な味わい。
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そして私が何より楽しみにしていたのが、ホテルTorel 1884 Suites & Apartments。銀行だった古い建物をリノベーションし、2021年にオープン。デザインに惹かれ、ずっと泊まってみたかったのです。
上階にはライブラリーも設置され、ポルトガル作家のアートも飾られています。
部屋も広々と優雅な空間。バスタブがしっかり設置されているのも、パリでシャワー暮らしな日本人には嬉しいポイント。
朝食と夕食は、すべて1階のレストランにて。ローカルの人たちからも人気なのか、ディナータイムはほぼ満席。
疲れ切って半分眠っている息子を前に、新鮮なシーフードを使ったモダンな創作料理の数々に舌鼓をうったのでした。
後編はリスボンの素敵ギャラリーをご紹介します。
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