
幻の台湾タロ芋スイーツ。
芋という野菜は、人類を魅了してやまない気がする
そもそもフライドポテトが嫌いな人にはあまり会ったことがない
焼き芋なんて、いまやほぼ一年中スーパーで石焼きされている
石焼きいも〜お芋っ!と言うスピーカーから流れる声を聞くと、娘も急にそわそわし始めて「ママ買いに行こう!」と急かすのだ
そういえばサザエさんも石焼き芋の車を冒頭で追いかけていた
サツマイモやジャガイモは既に市民権を得ているが、今日は台湾タロ芋の魅力について語りたい
一度ハマると抜け出せない魅力があるタロ芋
台湾には、タロ芋好きな人を"芋頭控"と呼ぶあだ名まで存在する
外見は里芋に酷似したルックスで、内面はほのかに紫がかって、ぶつぶつと隆起している
英語名はTaroである
石頭火鍋の具材として入っていたり、パイになったり、ロールケーキになったり、と変幻自在
抗わない、とても素直な性格をしている
何を着せられてもどこに入れられてもニコニコと微笑みながら自然といつの間に馴染み、気がついたらクラスの中心的存在となっているが、しゃしゃらず、その佇まいはとても上品である
芋圓になればQQ(きゅうきゅうという食感を指す)と可愛らしく鳴き、芋頭貢丸湯のようなスープに入れば、ほろっと口溶けてほっこりさせてくれるし、芋泥と呼ばれるペースト状になるとねっとりと舌を抱きしめてくれる
主役にもなれるし、脇役にもなれる稀有なTaro
Taroと何度も呼ぶうちに、坊主頭姿の"太郎"に思えてくる
あゝ太郎に会いたいな、と恋焦がれてタロ芋の名店「連珍」へ
芋圓がのった黒米タロ芋ペーストかき氷、タロ芋ミルクの組み合わせは我ながら最高の選択だったと思う
軒先の看板メニューの前で熟考する姿に、ワーホリで来日している台湾人のスタッフさんがたじろんでいた
タロ芋本来の甘さと深みあるほくみがまろやかでフレッシュな牛乳によって存分に引き出され、尋常じゃない旨さの飲み物になる
舌に残るざらっとしたタロ芋の欠片すら美味しい
相性が良すぎるのだろうか、飲んだ瞬間に味を忘れて、もう一口飲みたくなる、不思議な味
タロイモペースト、黒米、シャリっとした氷をいい加減でスプーンに乗せて口に含むと素朴で優しいんだ
芋園をQQしつつ、また少しづつタロと氷を食べたり、美味しく行ったり来たりして最後の一滴まで余すことなくいただける
タロ芋は忘れた頃にお腹をまんぱんにさせるので、その後急激な眠気に襲われ、1時間ほど気を失っていた
確かに食べたはずなのに、食べた記憶がなくなるあまりにも幻めいた美味しさ
確かにあの時、太郎さんは私のそばにいた......?
もう一度確かめたいから、また近々太郎さんに会いにいこう
東京都中央区日本橋人形町2丁目10−11 KYOE PLAZA
営)11:00~18:00
無休
★Google Map
連珍 高田馬場店
東京都新宿区高田馬場4丁目8−4 ORAGAビル 1階
営)12:00~21:00
無休
★Google Map
@lenjen_tokyo
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