おしゃべりなうつわ

きのこ豆腐や納豆さえ絵になる、二階堂明弘さんの焼締ボウル。

衣奈彩子(えなさいこ)と申します。うつわ好き歴20年。食べることは生きること、そこにうつわは欠かせないのだから、できるだけ作り手の顔が見えるものを使いたいと、うつわ店やギャラリーに通い、作家さんに話を聞いては、少しつづ買い揃えて組み合わせを楽しんできました。するといつからか、食事のたびにテーブルに作家が集っておしゃべりをしているような感覚に。我が家は4人家族ですが、それ以上に毎日賑やかです。そんなうちのうつわたちを紹介していこうと思います。

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これは二階堂明弘さんの焼締ボウル。考古学博物館のガラスケースに収められた出土品のような表情にひかれて手に取ると、両手のひらを合わせたところにちょうど収まるサイズで、ザラザラとしたテクスチャーが全身まで伝わってくる。初めての感覚にドキドキして購入し、家に迎えた私は、あろうことか、しばらくの間、朝ごはんの納豆を混ぜていたように記憶する。内側の肌はゴツゴツしているものの釉薬がかかっているから混ぜやすかったし、何よりネバネバの納豆でも綺麗に見えた。それまでは「洗いやすいから」と白磁のうつわを使っていたのだけれど、もうちょっと風情が欲しいなあといつも思っていたところ、考古のようなうつわで解決するとは。発見だった。きのこ豆腐なんかもとてもかわいく盛れるので、今回はそちらの写真を。

[ある日のうつわ]

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二階堂明弘さんのスモールボウルに、山田洋次さんのスリップウェアプレートを合わせる。冷奴はうつわごとキンキンに冷やすとより美味しい。

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作り手:二階堂明弘
購入した年:2009年頃
購入場所:茗荷谷にあったギャラリー

 

>>[うつわディクショナリー]二階堂明弘さんがうつわで伝えたいこと

衣奈彩子

ライター/ 編集者

子育てをきっかけにふつうのごはんを美味しく見せてくれる手仕事のうつわにのめり込んだら、テーブルの上でうつわ作家たちがおしゃべりしているようで賑やかで。献立の悩みもワンオペ家事の苦労もどこへやら、毎日が明るくなった。「おしゃべりなうつわ」は、私を支えるうちのうつわの記録です。著書『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス)
Instagram:@enasaiko 衣奈彩子のウェブマガジン https://contain.jp/

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