ドライカレーも中華も佳き、吉田直嗣さんの黒い浅鉢。
これは吉田直嗣さんの浅鉢。吉田さんには「銀座 日々」で初めてお会いし「僕はこれでカレーライスを食べますよ。黒だとカレーの色染みも目立たないし、いいですよ」と言われ「確かに〜」と手に取った。とはいえ、このうつわでカレーライスを食べることはほとんどない。ギトギト油を手洗いするのが嫌なので、カレーは食洗機にかけられる皿で食べてしまうからだ。とはいえ、見込み(内側)の角度が、深すぎず、平すぎず絶妙で、少ない量を盛り付けてもさまになるので、和食にと中華にとよく使う。このころの吉田さんの黒陶は、正直欠けやすく、しかし好きすぎるので欠けたまま何年も使っていたのだけれど、コロナ禍のお家時間にやっと金継ぎをした。金色ではなく、黒漆で仕上げたらクールさを失わずにいい感じによみがえった。
[ある日のうつわ]
カレーライスはしないけど、ドライカレーはする。カレーは黒いうつわの上でご馳走になることを知る。
ゴマだれがたっぷり多めの冷やし中華は、麺がうもれすぎずに盛り付けられた。全体としては浅いけれど中央はやや深めという絶妙な形状ゆえのことで、造形の秀逸さに感謝すら覚える。
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作り手:吉田直嗣
購入した年:2008年頃
購入場所:銀座 日々
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