おしゃべりなうつわ

コーヒーのいい景色、額賀章夫さんの湯呑み。

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これは額賀章夫さんの錆粉引(さびこひき)の湯呑み。外苑前のうつわ楓さんで、同じく錆粉引の急須と合わせていただいたのだけれど、梱包が済む頃には「急須は日本茶に、湯のみはコーヒーに使いたいな」という気持ちが固まってしまい、うちに来てからはいつも離れ離れ。ごめん......。しかし湯飲みの内側のひび割れた肌を見たときから「コーヒーが美味しく飲めるはず」と、強く、強く思ってしまったのだから仕方がない。その日は珍しく夫も一緒に出かけて、ふたりで気に入って購入したので、いまでも夫がコーヒーを淹れてくれる時は、この湯呑みのことが多い。来客のコーヒータイムにも「素敵〜」と喜ばれる。あたり前だよ、だって、間違いなくいい景色なのだもの。

[ある日のうつわ]

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となりに並ぶのは、お揃いの急須ではなくいつもケメックス。錆粉引の肌と外側の黒とブラウン、どこをとってもコーヒーがとてもよく似合ううつわだと感じている。

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急須と湯呑みで日本茶を淹れるのは少し先かな。食器棚の中では近くにいるのだけれど。

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作り手:額賀章夫
購入した年:2007年頃
購入場所:うつわ楓(外苑前)

衣奈彩子

ライター/ 編集者

子育てをきっかけにふつうのごはんを美味しく見せてくれる手仕事のうつわにのめり込んだら、テーブルの上でうつわ作家たちがおしゃべりしているようで賑やかで。献立の悩みもワンオペ家事の苦労もどこへやら、毎日が明るくなった。「おしゃべりなうつわ」は、私を支えるうちのうつわの記録です。著書『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス)
Instagram:@enasaiko 衣奈彩子のウェブマガジン https://contain.jp/

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