おしゃべりなうつわ

中田雄一さんの白プレートは、あの国への旅の入り口?!

240907_yuichinakata_utuwa_01.jpgこれは中田雄一さんのリムプレート。釉薬代わりにあま〜いクリームをのせているのなのではないかと妄想するほど、とろりとした白。空気をふくんでいるかのように柔らかな表面は、手を触れると思ったとおりなめらかで(やっぱり!)、持ち上げると予想より軽い。高台まで釉薬で包まれているのにエッジはきちんとあって、ほっこりとせず、古い食器と並べると、その時代といまをなだらかに繋いで、洋食器が歩んできた道を連想させる。日本の土で日本人が作って、どうして異国の匂いを醸すのか。その秘密は、これからも使いながら探っていくつもりだけれど、いまのところ、ほんのり艶のある白がフルーツのみずみずしさを引き立て、テイクアウトしたフライドポテトをビストロでステーキに添えられた「フリット」のごとく見せることを確認し、ニース風サラダを作りたくなったりもして......。あーフランスに行きたい。これは旅したくなるうつわでもあるのだった。

[ある日のうつわ]

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直径24センチの白プレート。高台の穴にひもを通してあるので壁掛けできる。白いのに飾り皿?と思った矢先、中田さんは「キッチンが狭いとき、壁も使えると便利ですから」と言った。あ、そうね、暮らしってそういうものよね。やってみるとなるほど便利だし、柔らかな質感を絵画のように"鑑賞"もできます。

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24センチと20センチの白プレートで朝ごはん。卵の黄色が鮮やかに映えて朝から気持ちがいい。

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径17、20、24センチを重ねた、我が家の通称"中田盛り"。

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作り手:中田雄一 @bibaiumare
購入した年:2022年-2023年
購入場所:graum、lapinart

衣奈彩子

ライター/ 編集者

子育てをきっかけにふつうのごはんを美味しく見せてくれる手仕事のうつわにのめり込んだら、テーブルの上でうつわ作家たちがおしゃべりしているようで賑やかで。献立の悩みもワンオペ家事の苦労もどこへやら、毎日が明るくなった。「おしゃべりなうつわ」は、私を支えるうちのうつわの記録です。著書『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス)
Instagram:@enasaiko 衣奈彩子のウェブマガジン https://contain.jp/

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