おしゃべりなうつわ

お夜食のお供に、杉田明彦さんの漆椀。

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これは杉田明彦さんの漆椀。

杉田さんは、輪島の塗師・赤木明登さんのもとで修行し、独立後は金沢市に工房を構えた。関東出身で大学卒業後に蕎麦職人をしていたこともある。業界の外から工芸界に入った人だからか、伝統の椀型とはすこし違うフォルムや古い物からインスパイアされた塗りのテクスチャーなどに宿る独自のセンスが唯一無二の作家だ。この筒形椀もあえて丸底をとらないシャープな造形、杉田さんの真骨頂だ。ずっと憧れていたが、うちには中野知昭さんの漆椀が家族4人分あるからなかなか手が出せずにいた。でも大学受験勉強中の息子が夜食にあたたかい蕎麦やうどんを食べるようになって「味噌汁の椀よりちょっと大きめなものが必要だわ」というちょうどいい言い訳ができたので、2022年になってやっと我が家に迎えることができた。

漆器は熱伝導率が低いので、熱々の麺やスープをたっぷりよそっても、なんなく持てるし、勉強の合間に放置したとしても、冷めにくい。口当たりもとてもやさしい。自宅作業の私がランチや夜食に小どんぶりを食べるにもちょうどいいし、夜中はチートおやつのポテチやおかきをざざっといれて、You Tube観ながらポリポリ......。カジュアルに使いまわしている。

【ある日のうつわ】

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長男の受験期、夜食はうどんが多かった。

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私のお昼の定番、レフトオーバーのビビンバ丼。

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深さがあるので少量を軽く盛り付けてもきれい。


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作り手:杉田明彦 @sugita_akihiko

年代:2022年
購入場所:Dee's Hallのイベントにて

衣奈彩子

ライター/ 編集者

子育てをきっかけにふつうのごはんを美味しく見せてくれる手仕事のうつわにのめり込んだら、テーブルの上でうつわ作家たちがおしゃべりしているようで賑やかで。献立の悩みもワンオペ家事の苦労もどこへやら、毎日が明るくなった。「おしゃべりなうつわ」は、私を支えるうちのうつわの記録です。著書『うつわディクショナリー』(CCCメディアハウス)
Instagram:@enasaiko ウェブマガジン https://contain.jp/

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