
2022年の読書リスト
イギリスはまだ年が明けていないので、2022年に読んだ本をざっとおさらい。
私の本のセレクションは、1948年に創業されて2020年にはBest Independent Bookshopアワードを受賞した私の住む街の本屋さん、Sevenoaks Book Shopに平積みされている本か、コラムニストの山崎まどかさんがお勧めしている本か、Book Clubの仲間が「これサツキ好きだと思うよ!」と教えてくれる本か、『ジャケ買い』かの四択です。
❶ ルシア・ベルリンの『掃除婦のための手引書』 は、メキシコまで持って行って読んだ短編集。岸本佐知子さんの日本語訳も出ているので是非。
❷ 辻村深月 の『かがみの孤城 』は完全にジャケ買い(日本のカバーより断然可愛い!)。いじめに遭って、学校に行けない女子中学生の話です。ジャケ買いだったくせに、最後に泣けて元取れた感じ。8月に行ったコーンウォールまでの延々と続く6時間ドライブ中に姪に貸したところ、後部座席で号泣していました。
❸ 今年もニューヨークが舞台の本を数冊読みました。『City of Girls』は1940年代のニューヨークが舞台。『食べて、祈って、恋をして』の作者エリザベス・ギルバートの作品。20代の女子2人がマンハッタンを思いっきり謳歌するストーリー、時代は違えど20代をニューヨークで過ごした自分と置き換えたりして、なかなか読み終えたくなかった本。 翻訳本も出ているので是非読んで欲しい一冊。
❹『My Year Of Rest And Relaxation』は私が住んでいた頃と重なる1990年代後半から2001年のNYが舞台で、マイナーな友達のバンドとか昔DJしてたクラブとか、毎週通っていたバーが出てくる出てくる。3ページくらい読んで「この作者、もしかして〇〇の友達では?」と、思い当たる友人にテキストを送ったところ、やっぱりその彼女の友達と判明。ニューヨークのヒップスターの輪はとても小さい!主人公が働いているギャラリーはDeitch Projectかな?この人物のモデルはBenとかDash(どちらも故人)がモデルじゃないかな? など想像が膨らんだ。そしてボデガの無愛想な店員が煎れてくれる不味いコーヒーが無性に飲みたくなった。
❺『Summer at Tiffany』これも1940年代のNYが舞台。アイオワ州出身の女子高生2人が、夏休みの間に5番街のティファニーでアルバイトをするという何ともチャーミングな自叙伝です。とても簡単な文章で書かれているので、英語の本初めて読む方にお勧め。❸の『City of Girls』と比べると、この二人はとってもおぼこくて優等生でイノセント。
❻『Wish Her Safe At Home』 は、ブリストルのジョージアン様式のお屋敷を相続した中年女性のお話。シチュエーションはおとぎ話だけど、現実は? いい意味で後味の悪い本。『サンセット大通り』のグロリア・スワンソンを勝手に主人公に割り当てて読みました。
❼川上未映子 の本は前出の近所の本屋にいつも並んでいるので有難い。これに加えてナタリー・ポートマンが推していた『乳と卵』も読了。こちらも❷と同じくいじめられる子が主人公です。彼女の本は若い人に大人気で、地下鉄で英人のティーンエイジャーが読んでるの見たこともあります。
❽エリザベス・ストラウトの作品。主人公の病院の窓からクライスラービルが見える設定で、この表紙。所属している Book Clubの友達からプレゼントされた物。日本語版も出版されています。
❾ 山崎まどかさんの『優雅な読書が最高の復讐である』 には読みたくなる本がリストアップされているので、読書の参考書として重宝している一冊。
➓ ケンブリッジ大学で政治学の教授をしていた義叔父であるアンドリュー・ギャンブルの本は、数行読むだけで睡魔が襲ってくる魔法の本なのでベッドサイドに欠かせません。
Reading books can take you anywhere! それでは皆様、よいお年をお迎えください。
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