
友人宅でのヒュッゲな時間
近所に住むデンマーク出身の友人から『お茶しに来て!』とお招きいただいたので徒歩で出かけてきました。郊外に住んでいると、歩いて行ける友人宅は希少価値高めです。
10年前にこの街に中古の家を購入し、モダンに改造したお宅に住んでいるこのデンマーク人夫妻。 とにかく人を呼ぶのが好きなカップルで、やれカクテルパーティーだ、クリスマスドリンクだ、いつも招待してもらっているのだけど、昼間にお呼ばれされたのは初めて。
焼き立てのアップルパイやらマフィンをオーブンから出してコーヒーを淹れてくれている友人を見て、「ちょっと待て。これってひょっとして正真正銘のデンマークの『ヒュッゲ』ってやつかな?」と閃く。
世界幸福度ランキングで常に上位に鎮座するデンマークでは、家族や友達とテーブルを囲んでコーヒーやお茶を飲みながら居心地の良い時間を過ごす=『ヒュッゲ』という文化があることは有名ですよね。実はこのヒュッゲが日本で頻繁に取り上げられていた2016年頃にちょうど日本に住んでいたので、私はこのヒュッゲについて知りました。
「もしかしてこれって噂の『ヒュッゲ』?」と聞くと、 「そうだよ。だけど何でその言葉知ってるの?」と驚く友人。 日本でも一時期流行った言葉である事を説明して思い出したのが、ニューヨークの大学寮でガーナ人に会った時に
『ガーナと言えばカカオの産地だよね』と言って驚かれ、
ブルガリア人に『やっぱりヨーグルト毎日食べます?』と聞いて驚かれ、
ブルターニュ出身の子に『ああ、クイニーアマンの地方ね』 と言っては驚かれた経験。 日本人ならみんな知っている外国の食べ物についてのちょっとしたネタ(?)は、その国出身の方との会話のきっかけになるので非常に有り難い。
林檎とかラズベリーとか果物が入った焼き菓子
本物のヒュッゲが味わえると知った途端、当時日本の本屋で立ち読みした本で得たヒュッゲの条件を思い出しながら、勝手に指差し確認開始。
① 外の景色も家の一部として愉しむから窓は大きめ。 ☑️
壁と窓の比率が6:4くらいじゃない?
② 短い日照時間を満喫するためにカーテンは付けない/閉めない。 ☑️
暖房費が気になるけどさ
③ 優しい灯りの間接照明とキャンドルを多用する。 ☑️
至る所にキャンドルあり
④ 太陽の光はあらゆる場所から取り入れる。 ☑️
天窓と安定の曇り空
ゆったりとくつろげるシッティングルームに通されると、テーブルにはキャンドルの灯火が。 デンマークはキャンドルの売り上げが世界一で、お茶の時間やディナーの時には必ずと言っていいほどキャンドルに火を灯すそう。
このキャンドルのともしびの『揺らぎ』は、川のせせらぎとか鳥のさえずりと同じく自然界に存在する『癒し』の周波数を放ってくれるらしい。
外はイギリスの冬特有のどんよりと暗い雨模様だったのだけど、この落ち着く空間でまったりとおしゃべりしていたら、知らない間に4時間も経っていました。
コンピューターやスマホを見ることが多い今日この頃、キャンドルを灯してホッと一息癒されるヒュッゲな時間を設けるのもいいかもしれませんね。
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