Pollock's おもちゃミュージアム
まるでビクトリア時代にタイムトリップしたような佇まいを見せる、ロンドンはフィッツロヴィアにあるイギリス最古のおもちゃ博物館であるPollock's Toy Museum。私のロンドンお気に入りスポットの上位にずっとランクインしているお店です。
このとっても愛らしいミュージアム兼ショップの歴史は長くて、元はと言えば19世記初頭のイギリスで大流行した紙芝居の劇場版である『トイ(おもちゃ)・シアター』が始まり。 これは、当時ロンドンで上演されていた舞台をそのまま小さなスケールで再現したミニ・ペーパーシアターみたいなもので、劇場でお土産として販売されていたのだそう。 子供たちは挙ってそれを買って、有名な戯曲や自分で書き上げたシナリオで家族や友達に紙芝居のように上演して、楽しんでいたんだとか。
その人気と需要の高さに追いつくべく、卓越したクラフトマンシップが光るトイ・シアターを職人たちがこぞって生産→販売が大当たり。 その職人たちのエージェントをしていたジョン・レディントン氏からビジネスを引き継いだ娘夫婦であるポロック夫妻が、1877年にイーストロンドンに第一店舗目をオープンしました。1940年代に戦争で空襲を受けたり、在庫が増えすぎて広い店舗に引っ越したりと二転三転した後に現在のフィッツロヴィアはスカラ通りの角に店舗を構えたのが1969年。それから54年間もこの角で、ポロック夫妻の子孫がこの多くの人々に愛されるミュージアム兼ショップを切り盛りしているのです。
出典:Pollock's Museum Instagram
ショップにずらりと並ぶ、昔懐かしいおもちゃの数々!アナログな玩具を手に取ると、ノスタルジックでホッと落ち着きます。『これで昔遊んだ!』などど時間を忘れて童心に返れること間違いなし。
日本の駄菓子屋さんに見えなくもない
博物館の方では、魂を奪われそうなビクトリア時代のお人形から、繊細なディテールが見て取れる1870年代のトイ・シアターの現物やらを拝むことができます。
ハロー
しかし・・・!
実はとっても悲しいことに、3日前に突然このミュージアム&ショップ閉店のニュースが飛び込んできたのです。
どうやら大家さんとの折り合いがつかなかったらしく、この約150年の歴史を持つロンドンが誇る文化遺産に幕を閉じる日が突然訪れてしまった模様。泣。
たまに訪れてキャーキャー浮かれていた私でさえ悲しいのに、この店の周りで育ったフィッツロヴィア地区の皆さんはどれだけの虚しさを感じていることか。
出典:Pollock's Museum Instagram
ミュージアムに沢山いらっしゃる怖いお人形さん達、なんかの呪文で大家さんの気を変えることはできませんか・・・?
この子あたりに期待
公式ウェブサイトによると別の場所に移動を計画しているそうなので、新天地でこのマジカルな空間が再現されることを祈るばかり。 引っ越しにかかる費用を寄付をできるページも作成されているので、私も少しばかりですがドネーションしました。
近い将来このブログで、ミュージアム再オープンのお知らせができることを切に願って。
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