
カラフルな街のアーティストたち
秋の週末にふさわしく、イラストレーターでイギリスのアートに造詣の深い友人キャサリンとともにギャラリー巡りにエセックスへ足を伸ばした。
この地方は、もともと商業で栄えた歴史を持つ地域として知られているエリア。
なぜこんなにもカラフルな家々が並んでいるのか?と言うと、かつて「染料をふんだんに使える」ことが「豊かさ(儲かってます)の象徴」とされた時代の名残であるらしい。儲けたお金で染料を買って→派手な色に家をペイントしていたって訳ですね。
見せてなんぼ、の文化は現代にも受け継がれて、今やエセックスの人々はその独特な派手派手ファッションで有名。前々からエセックスには大阪っぽいものを感じていたのだけど、商人のDNAは海を超えるのかも?
話を戻して最初の目的地は、約100年前にロンドンから数人のアーティストたちが移り住んで独自のコミュニティを築いた村、Great Bardfield(グレート・バードフィールド)。「Between The Line」と言う村の小さな本屋さんで、その昔アーティストたちが住んでいた家の詳細が記された地図をゲット&その地図を片手に村を散策。10代の頃に尾道を訪れて、大林宣彦の映画ロケ地マップを持ってワクワクしながら歩き回ったことを思い出したり。
こちらがグレートバードフィールド・アーティストたち。1950年代に、彼らが自宅を開放してアートを公開した「オープンハウス・エキシビジョン」は、イギリスにおけるオープンスタジオ文化の先駆けだったのだとか。
適当に選んだエアB&Bだったのだけど、オーナーさんが「グレートバードフィールドアーティストの一人がこの後ろの家に住んでたんですよ」と教えてくれて、キャサリンと私のファンガールは大騒ぎ。
次の日は念願のグレートバードフィールド・アーティストたちの作品が展示されているフライ・アート・ギャラリーへ。
イギリスのアーティスト・グループといえばヴァージニア・ウルフやダンカン・グラントらが居たあのブルームズベリー・グループが超有名で、こちらのグレート・バードフィールドの面々はその影に隠れがち。
しかし上流階級&閉鎖的だったブルームズベリーとは対照的に、彼らは地域との繋がりを大切にして日常に根ざしたアートを生み出した芸術家たち。だから勝手に親近感が沸いてしまうのかも。

生活感あふれる日々の風景を描いた絵画や、遊び心溢れるテキスタイル、彼らのおうちに置かれていた手作りの小物や刺繍が並ぶギャラリーは、いつまでも居たくなるような温かさに包まれていました。また必ず行きたい!
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