
はじめまして、ミャウです。
4月のある晴れた日の午後、私、運命の出会いをしました。
出会ったのは、当時生まれて約7ヶ月だった、猫の女の子。名前はMiaou(ミャウ)。前の飼い主に捨てられ、シェルターで、他の猫にびびってしゃーしゃー言っては逃げ回り、すみに縮こまっていた子です。
ということで今回は、我が家の新メンバー、ミャウと、ミャウを引き取るまでの話をさせてください。
私たちが一緒に暮らす猫を探し始めたのは昨年末。それから、「南仏プロヴァンスで(うちの)猫さがし。」をゆるりとしてきたわけですが、フランスには、動物の保護施設(Refuge)が本当にたくさんある!
以前ご紹介したマルセイユの猫カフェの猫たちは、提携しているシェルター3箇所出身の猫たちだし、SPA(Société protectrice des animaux)のようにフランス各地にある大きな団体から、個人のアパートの一室で保護して面倒をみているような、小さなところまで、いろんな規模の施設があります。
(これだけ聞くと、動物愛護精神高めな国かと思いますが、一方で夏のバカンス前にペットを捨てる人が多くいるのだとか。なんてこと。)


保護施設はだいたい人里離れた森のなか。車を降りると、かわいい犬たちがしっぽをふって歓迎してくれます。


壁に書かれた、"tu deviens responsable pour toujours de ce que tu as apprivoisé" は、星の王子様の一節。「めんどうみたあいてには、いつまでも責任があるんだ。まもらなけりゃならないんだよ。」
私と夫も、猫カフェに始まり、ネットや道端で情報を見つけては、あちこち会いに行き、結局、Le refuge de l’Arboisというシェルターでミャウに出会ったわけですが、それから引き取るまでにも、どうしても考えてしまうことがあったのです。
それは、「ミャウはまだ若くて、しかもものすごくかわいい。」ということ。(「ものすごくかわいい」という部分には、いまや親バカも入っています、知ってます。)
シェルターのなかには、もっと年老いていて、もう引き取ってもらえないかもしれない猫たちがいる。悪い迷信が残っていて、黒猫は人気がないとも聞かされた。ああ、本当は、年をとった黒猫を引き取るべきじゃないか。
以前、どなたかのブログで、シェルターから猫を引き取る際、「容姿や性格は問いません、仲良く暮らしている二匹を譲ってください。」とリクエストしたという立派すぎる話をお見かけしていたこともあり、それに引き換え私は……たくさんの猫のなかから、この若くてかわいいミャウを引き取るということに、かっこつけて言わせてもらえば、エゴイズムを感じてしまったというか、なんだかもやもやと胸につかえる部分があったのです。
(そしてお得意のネガティブ路線に乗っかったかと思えば、極論へまっしぐら。こんなんでわたしは「猫好き」なんて自称できるのか、ただ、「かわいい猫」が好きなだけなんじゃないか、だとしたら、なんたる偽善者、よくも猫博愛主義のフリして猫ブログなんて書いてるな、このやろう。という思いまでもが頭をよぎりました。)
でも、でも、でも。今後日本に帰ることを考えると、何度も打つワクチンや、血液の抗体検査、それに、長時間の移動に耐えられる、何よりも元気な子じゃないと。もし連れて帰れない、なんてことになったら、そんな無責任なことはない。それに、ここにいる猫全員を引き取ることなんてできないんだし、こんなことでエゴイズム感じてんじゃないわよ、このうぬぼれや! と自分に喝を入れ、ミャウを引き取ることを決意。
我が家に来て間もない頃のミャウ。何をするにもびくびく。腰が引けぎみ。
シェルターのお姉さんは、「ミャウ〜いつか日本に行くのね〜すごいね〜!」なんて話しながらパパっと手続きを終わらせ、じゃあ獣医さんの検査が来週済むので、それ以降いつでも引き取りに来てください、という感じで終了。割とあっけない。
そしてミャウが家に来てからは、その驚くほどの「良い子」っぷりに、これまた「こんなに良い子を引き取ってしまってよかったのだろうか。」と、「こんな幸せ、信じられない!夢じゃないかしら。」とか言っちゃう少女漫画のきらきら主人公みたいなおのぼせやろうになっている私です。
とにもかくにも、我が家のミャウを、よろしくお願いします。


9015 Route de la Tour d'Arbois, 13290 Les Milles
www.facebook.com/refugedelarbois
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